第12話 俺のヘブンタクティクス

「よし、これでOKかな」


俺は置いてあった服を着て色々入ったカバンを持ち、鏡の前で最終チェックを行っていた


「にしても…はずれかぁ…なんかこう、炎出す!とか風操れる!とかがよかったなぁ…」


「ま、極めれば戦えるらしいし!ゆめかは俺が守る。そのために強くなんなきゃな!」


俺は自分に言い聞かせて扉を開けた


「準備できやした!」


「ん!似合ってるじゃないか!」


「それでは参りましょうか。ヘブンスタニアへ」


「…はい!!」


「それでは翼を」


「はい!…ん?翼?」


「はい、雨宮様のヘブンタクティクスを発動させてください。飛んでいきますので。」


「えと、どうやってやれば…」


「想像してください。自分が鳥だったらと。」


「あ、はい」


俺は鳥を思い浮かべた

すると背中がむず痒くなってきた

背中を触るともふもふな感触とすべすべとした感触があった


「これで、OKですか?」


「まぁ、素晴らしい翼ですね。それでは行きましょう。飛ぶ時も鳥が飛ぶ姿をイメージして自分に重ねてください」


「わかりやした!」


そう言うとレジンさんは背中から黒い翼を出した


「え!レジンさんも同じヘブンタクティクスなんですか!」


「雨宮様、大変申し上げずらいのですが…」


「は、はい?」


「翼自体は誰でも出せるのです」


「?????」


「だからハズレと申したのです。」


「あー…え?あ、なるほど、ん?」


俺は全然話が追いつかなかった


「雨宮様は稀に見る…無能力に近い方でいらっしゃいます」


「なるほど…そ、そうなんですね。はは」


「ですが先程エンマ様が仰っていました通り、極めれば自分だけの立派な能力になります。過去に1人極めた者がいたと申し上げましたがその方も雨宮様のように無能力でした。」


「そうなんすか…」


俺は心の中で自分にいい聞かせた

守らなきゃだろ。極めるんだと


「わかりました。俺絶対極めてその人も超えて大切な人守りきれるくらい強くなるっす!」


「いい心意気です。その調子でがんばってください。あと私は元ヘルスレイヤーなので持っているのはヘルタクティクスです」


「え」


俺は驚愕したまま飛び立った



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