第4話 霊道帰還

「帰る事は出来るんだけど、問題が人間の視野に入れないってとこなんだよね...」


それってまさか


「幽霊としてあの世界に帰るって事か」


帰る方法とは俺らがよく恐れていた幽霊になるという事だった。


「そうかあっちの世界では幽霊って呼ばれてるのか。その通りだよ。幽霊となってあの世界に帰る。これを選択したみんなは地獄よりも最悪だったと言って帰ってくるんだ。嫌われ者になり、みんなから恐れられ、そして最終的に強制帰還される。私達はこの帰る方法を「霊道帰還」と読んでいるんだ。」


俺はうつむいたまま、心で思った。

帰れるのは嬉しいけど、あいつに嫌われるなんて嫌だ。

そんな俺にエンマ様はこう声をかけてきた。


「さっき言った通り君はこの女の子だけを集中して守ってきただろう?だからこんな提案をしようと思う。君はあの女の子のガーディアンとして帰るんだ。まぁ年に2度しか行けないけれどね。」


「ガーディアン?なんですか?それって」


「あー...レジンちゃん!あっちの世界ではなんて呼ばれているんだい?」


「あちらの世界で言う守護霊です。」


守護霊...俺はまたあいつを守ってやれるのか...


「その守護霊とやらに君がなってあの女の子を守ってやるんだ。帰れる日はあっちで言うお盆?と〜…」


「元旦です」


「あ、そうそうそれ!守護霊は不評があんまりないからいいんじゃない?あの時みたいに守ってあげればいいじゃないか。」


あの時...病気を持ってた俺をあいつが庇ってくれた時か...


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