第5話

「乱雑さがなくてきちんとしてる...?

それってつまり、あんたの部屋が整理整頓されてるってこと?」


「そ、そーなんだよ...!」


「俺はてっきり母さんが勝手に部屋に入って

あまりの俺の机の上の汚さに見るにみかねて掃除みたいなことをしてくれたのかと...」


「母さんはなんにもしてないわよ」


「え」


「母さん、今日は日曜でスーパーにレジ打ちの仕事をしに行っていたし、今、疲れているのは知ってるわよね。

それなのにあんたの部屋をきれいにするなんてことしないわよ」


「第一ね、

思春期の男の子の部屋には色々と見られちゃ困るような物があるかもしれないから、

遠慮してんのよ...」


母さんは意味深な発言をしてみせた。


どうやら。


年頃の男が、


秘密(大人向け雑誌)を抱えている(隠し持っていること)分かっているみたいだった。


「どの位、綺麗な部屋になってるわけ?」


「いやもう、滅茶苦茶きれい。男の部屋とは

思えないくらいに」


「ふうん」

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