第5話 訓練
ぼーっとしていると、どこからか声がした。
声がする方に顔を向ける。そこには、私好みのイケメンが立っていた。
「あ、ここにいた。」
私に声をかけているらしい。やばい、涎垂れてない。
髪の毛も大丈夫。顔は・・・確認の使用がない・・・だと。
「何してんだよ。遅れちまう。はやく行くぞ。」
えっ。何々。手つないじゃってるんだけど。
てかどこに連れて行くんだろう。
もしかして、人気のないところで告白とか。いやー。どうしよう!?
そんなことを考えていたが、どうやら違ったみたい。ちぇっ。
つれて来られたのは、王様が話していた広場だった。
その時よりは人は少ないが、何人か集まっていた。
「はあ、間に合った。ほら、お前はあっち。」
手を離されて、私が行く方であろう場所に指を向ける。
わたしは彼が指指した方向に向かった。
そこにはご飯屋を先に出ていった彼女がいた。
「あっ。やっと、来た。ていうかどういうこと!?
彼と手繋いでくるなんて。詳しく教えなさいよ。」
「何でもないわよ。」
私は彼女から視線をそらし、
ちらっと彼の方を見ると、あっちもなにやらちゃかされているようだった。
城門の前に立っていた体格のいい傭兵が現れた。
「おい、始めるぞ。集まれ!!」
これから訓練が始まるみたい。やだな。運動苦手なんだよな。
「今日は槍投げをする。」
槍投げ!?いやいや、なんで槍投げ。
「ほら、ぼーっとしてないで、槍もってけ。」
しぶしぶ槍をとってくる。重っ。投げられる気がしない。
「ふふふっ。ついに私の力を見せる時が来たわ。」
彼女が楽しそうにしている。
「よくやる気出るわね。」
「だって槍投げよ。テンション上がらない方がおかしいよ。」
「そ、そうなの?」
彼女のスタンスが分からなかった。
あんなに楽しそうにしているだけあってめちゃくちゃ飛ばしていた。
「記録、55m43」
「やったー。自己ベスト更新だわ。」
「嘘でしょ!?」
その他の人たちも彼女まではいけないがなかなかの距離をだしていた。
私の番が来る。
「ええーい。」
「記録、7m37」
「おい、怠けてるのか。ちゃんとしろ。ちゃんと。みんなを見習え。」
いや、頑張ったほうでしょ。周りがおかしいのよ。
そうこうしていると、彼の番がやってきた。私は手を組んで見守る。頑張れ。と心の中で叫んだ。彼が槍を投げた瞬間、ガンっという音がして意識がなくなった。
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