第2話 属課を決めよう!
『よっすよっす!充実したキャンパスライフを送っとるかね~⁉真子さんや!』
「まあ…ボチボチかな…ハハ…」
『ダメだよ~⁉一生に一度しか無い大学生活!遊び呆けなきゃ!私なんか出席点入らない授業全部切ってるよ!』
「(それでいいのか大学生…)」
『期末で点取りゃNO問題!…ところで!』
『真子はどの属課に入るの⁉』
「…。属課?」
【属課…か。そういや今年から入学時に決定するらしいな】
“あれ。先輩の頃は違ったんすか?”
【私達の頃は1年で全般的に学習して2年進級時に決定だったな。より専門性の高い人材を育てる為にカリキュラムを前倒し…って所か】
「あの…」
【ん?何だ?】
「属課って…何ですか?」
“…キミどうやって魔法大学入ったの?”
「魔法の本色々読んでたら…サクッと…ハイ…」
【同期に聞かせたら卒倒するぞ…そうだな】
【大学では主に「属性」に分かれて魔法の勉強を行うシステムだ】
【火・水・土・風・光・闇の六属性。六大要素って奴】
「全部纏めて勉強すれば良くないですか?」
“あのね!皆が皆アンタみたいな天才じゃないの!”
【その通り。大学で学ぶ魔法は高度に専門化されている。こいつを全部隅から隅まで学んでたら修了前に死ぬ】
「死ぬ…ですか」
【理学部と工学部と農学部と医学部と歯学部と薬学部の授業を全部同時に受ける様な物だ。死ぬ】
「ハ…ハイ…」
【火・水・土・風・光・闇。長所短所色々有る。研究室を回るといい】
『ね!今の凄かったね!「真水圧縮論」!実際の宇宙開発にも使われてるんだって!』
「確かに…汎用性が高そうだね」
『真水を省スペースで運搬出来ればその分他の荷物を載せられる!水が無い地域にも手軽に水を運べる!すごい!』
『応用範囲も広そうだし!就職にも有利そう!私水属課にする!』
「流石の決断力…私もそろそろ決めないと」
「あとは…闇属課か」
「…。あそこだけ何か禍々しいオーラが…」
「失礼します」
《ようこそ…ヒヒヒ》
「(黒ずくめゴスロリ服に天パ…目の下にクマ…明らかにヤバイ人だ)」
《今ヤバイ人だって思ったろ》
「エエ…ナンデワカッタンデスカ」
《顔見りゃ分かるよ。早く座りな。この時間の聴講アンタしかいないんだから》
「(ふぇぇ…一対一…気まずい…)」
《ハイ。闇属課ってのはね。ざっくり言うと》
《「重力を司る属課」さね》
《ではMs.真子にクエスチョン。ブラックホールって何?》
「(なんで私の名前知ってんのこの人…コワイ…)」
《有望な人材には目ェつけてんのさ…ヒヒヒ…》
「(ヒイイイイイイイイイイ!!)」
《もちっとポーカーフェイスって物を覚えんさい》
「えと…ブラックホールは…星の爆発時に生まれる重力の多い所…?」
《そんなもんでいいよ。黒く見える理由は?》
「光を吸い込むから…?」
《吸い込む…まあいい。膨大な重力は光を吸い込む。六大要素が確立された頃には重力って概念が無かった》
「重力が発見されたのはニュートンの時代ですからね!」
《お…おう。だから既に発見されていた「光」の要素と対にして「闇」と呼んだって訳》
「でも「重力」より「闇」の方がカッコイイです!」
《(こいつも相当やべえ奴だな…)》
《…はい。で今の闇は》
「ゴミの圧縮に使われています!」
《…いやそうなんだけどね。うん。一番に出るイメージがそれなのは…やっぱり…闇属課としちゃ…ちょっとね…》
《かといって他の分野では…ね。磁力とか機械とかと比べると小回りが効かないし…マアソウナルヨネ…ウン…》
「(地雷を踏み抜いてしまった…)」
《ハイ終わり。質問ある?》
「特には…」
《興味なさそうな目ェしちゃる!》
《そりゃそうだよね!水とか土とかの方が爽やかなイメージだし応用範囲広いもんね!闇属課なんかカーテン締め切って延々謎の実験してる社会のゴミだもんね!生きててスミマセン!!!!!!!!死ぬ!!!!!!!!!死んでやる!!!!!!!!!!》
「(め、めんどくせ~~~~~~~)」
「…ダイジョウブデスヨ。闇属課スゴイジャナイデスカ」
《ほんとに!!!!!!どこが??????》
「(慰めに説明を求めるタイプの人だ…)」
「えっと…あ!カッコイイ!カッコイイです!」
《ほんとに!!!!!?????》
「ホントです!何というか…影があって!深みがあります!」
《ふむふむ!!!!!闇はカッコイイ!!!!》
「ハイ!」
《闇を司る私もカッコイイ!!!!!!!》
「ハイハイ!!」
《私もカッコイイ教授がいる闇属課に入りたい!!!!》
「ハイハイハ…え?」
《よし。闇属課決定ね》
「…ハイ?」
《資料は来週渡すから。ガイダンス火曜2限ね》
「え…と。あの…」
《返事は?》
「…ハイ…」
つづく…?
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