21話「下僕たちの報告」ざま
「私の下僕よ、誰かが昨日私の部屋に届けてくれたのよね、気に入ったから使役してるの」
チラリと若い執事を見ると、執事は真っ青な顔で震え上がっていた。
「ゴシュジンサマ、コイツラ、ゴシュジンサマノ、ユウショク、ニ、ドク、イレタ」
「オチャカイノ、オチャニ、ゲザイ、イレタ、クッキーニ、タクサン、シオ、イレテタ」
「バシャノ、シャリン、コワシテ、ジコ、ニ、ミセカケテ、コロス、ト、イッテタ」
下僕の話を聞いて怒りが込み上げてきた。
クッキーに塩を入れてわざとまずくするなんて、クッキーへの冒涜だわ!
私がクッキーが大好物と知っていての所業か?!
いや大事なのはそこじゃない、問題は夕食に毒を盛って私を殺そうとしたことだ。私は人間の扱う毒ぐらいではびくともしないが、本物のエミリーだったら死んでいる。
万が一毒殺に失敗したら、馬車の事故に見せかけて殺すつもりだったようだし、見過ごせないわね。
絶対に許さない、どう懲らしめてやろうかしら。
「拷問してから殺して、全員の魂を抜き出し悪魔に売ろうかしら……」
つい本音が漏れてしてしまった。
私の言葉が聞こえたのか、全員の顔が青白い。
「おっ、お許しください! でき心なんです!!」
「どうか! どうか拷問だけはご勘弁を……!」
「心を入れ替えます! 真人間になります! だから悪魔に魂を売るのだけは止めて下さい!!」
全員が頭を床に擦りつけ、号泣しながら謝罪してきた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます