20話「一《アインス》、二《ツヴァイ》、三《ドライ》」ざまぁ

「侯爵、今後エンデ子爵家には二度と関わらない、ローザと離婚しない、絶対に浮気をしないと誓いなさい」


第二第三の被害者を出さないためにも、ローザとは離婚させない。


「はいっっ……!」


怯えた顔で侯爵が返事をする。


「誓ったならこの書類にサインしなさい」


口約束など当てにならない、きちんと契約書を作っておかないと。


「はっ、はいっ……分かりました!」


侯爵は右手を骨折しているので、左手でサインした。汚い字だが、まぁいいだろう。


親指を切って拇印ぼいんさせる。侯爵の母親にもサインさせ、拇印を押させた。


「それから全員に言っておくけど、今日のことは口外しないこと」


この場にいた全員がこくこくと頷いた。


「この家には見張りを置いていくわ、約束を破った奴は頭からパクっと食べられるから覚悟して」


「みっ、見張り……?」


侯爵が間抜けな声を上げる。


アインスツヴァイドライ、出てきなさい」


私の合図とともに天井から三匹の蛇が落ちてきた。


「「「「「ヒャ〜〜〜〜ッッ……!」」」」」


という悲鳴が屋敷に響いた。



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