14話「侵入者、切り裂かれたドレス」
部屋に戻ると天井から蛇が落ちてきた。
「シンニュウシャ、キタ、ドレス、ボロボロ」
クローゼットを開けるとドレスがズタズタに切り裂かれ、アクセサリーが壊され床に散らばっていた。
切られたドレスと壊されたアクセサリーを逆行魔法で元に戻す。だが数が足りない、いくつかは盗まれたようだ。
「誰がやったか分かる?」
「ワカイ、メイド、フタリ」
「そう」
クローゼットのドレスとアクセサリーには呪いがかかっている。
盗んだ者の手が漆に被れたように真っ赤になるように。
盗んだドレスを着た者のウエストが締め付けられ息が出来なくなるように。
ドレスを切り刻んだものの心臓が、ナイフでえぐられるように痛むように。
アクセサリーを壊した者の目が一時的に見えなくなるように。
アクセサリーを盗んだ者の顔に無数の吹き出物ができるように。
盗んだアクセサリーを身につけた者の頭が、金槌で殴られたようにガンガン痛むように。
「ちゃんと仕事してるのね偉いわ、ご褒美を上げる」
スープをお代わりをしたら、またネズミが入っていた。
下僕にあげようとこっそり魔法袋に入れて持ち帰った。
炎魔法で炙ってから与えると、下僕はネズミを丸呑みにした。
他の二匹はたちはちゃんと餌を取れてるからしら?
空腹に耐えかねて人間を襲わないといいけど。丸呑みにはしないだろうが、指の一本や二本は食べているかもしれない。
「まっ、いっか」
この家の人間には、身体的な欠損を与えずお仕置きしてやるつもりだった。
だがここまで好き勝手やられると、さすがに腹が立ってきた。
私がエミリーの身代わりにならなかったら、この仕打ちをエミリーが受けていたのだ。
暴言を浴びせられ、腐った物やネズミを出され、水をかけらるエミリーを想像したら腸が煮えくり返ってきた。
指の一本や二本無くなても生きていける、下僕に食べられてしまえ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます