第86話 ポンカンさん
マーケティング課では留美さん、美由紀ちゃん、と私が資料を見ながらミーティングをしていた。
「少し休憩しましょう」留美さんの一言で私はコーヒーを入れる。
「綾乃ちゃんごめんね」
「私、新入りですから当然ですよ」ラスクも出して一休みとなった。
「ポンカ……新さん苦戦してるみたいですよ」
「そうね、なんでも相談してって言われても、社長や綾乃ちゃんにみんな話が筒抜けだと思うと相談しにくいわよねえ」留美さんはコーヒーをすすっている。
「メル友のポンカンさんなら話しやすいのにね」
「美由紀ちゃんそれよ!……それは良いアイデアだわ」私はいきなり食いつく。
「えっ!!!なんですか?」美由紀ちゃんはコーヒーをこぼしそうになった。
「ねえ美由紀ちゃん、ラインでポンカンさんがなんでも話を聞いてくれるってみんなに広めてくれない?もちろん匿名OKよ、プライベートの事でも構わないわ」
「あっ、そう言うことか……私のポンカンさんを、みんなのポンカンさんにする訳ですね」
「そう、それだったら少しは話しやすくなると思うわ」
「なるほど……グッドアイデアよ綾乃ちゃん」瑠美さんも頷いた。
次の日から社内でLINEグループ「ポンカンさん」が始まる。
私の予想通りすぐに広がり、様々なメールが寄せられ、新さんは一つ一つ丁寧に対応した。
様々な要望も寄せられ、女子更衣室のロッカーの改善や駐輪場の雨漏りの修理など社内の改善で新さんは忙しい。
新さんはこれから社員のために何が必要かを考え、LINEを見ながらキーボードを叩いて計画書を作り始めた。
私は少しだホッとして胸を撫で下ろした。
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