第85話 新天地は綾乃色?
「それから隣は女性だけのマーケティング課だ、挨拶しとこうよ」
そう言って隣のドアをノックした。ドアを開けると留美さんが手を振っている。
「お久し、新くん、ひと足先に来てるわよ」微笑んだ。横には美由紀ちゃんもいる。
「お久しぶりですポンカ……新さん、私もここに配属になりました。これからよろしくお願いします、お隣ですよね」嬉しそうだ。
「それから君の先輩の仁君は早速営業部で研修を受けてもらっているよ」
「キッチリ教育をされているらしいわよ」留美さんが笑っている。
「そうなんですか、みんな集まっちゃったんですね」俺は頭をかいて申し訳なさそうにした。
「そう言えば綾乃ちゃんもみんなと一緒に働きたいと言ってました」
「えっそうなの、じゃあこのマーケティング課に来ればいいのに」瑠美さんは社長を見た。
「そうだね、留美さんなら綾乃をしっかり教育してくれそうだね」トンと手を叩く。
「本当は綾乃ちゃん、新さんと一緒に会社に来たいんでしょう?」
「図星です」
「じゃあしっかり教育しなきゃ」留美さんが微笑む。
「是非よろしくお願いしますよ」将暉社長は一瞬パパの顔を見せた。
結局綾乃ちゃんはマーケティング課に入ることになった。
俺はあちこちの部署を周り何か困ったことは無いか聞いて回る。
しかし、簡単にはみんな話をしてくれない。
「信頼を得るには時間がかかるんだろうな」と思い、総務の人たちにお願いして蛍光灯の交換や消耗品の補充など働き始める。
初めは総務も迷惑そうだったが、徐々に協力的になった。
城島にパワハラやセクハラを受けていた人たちは、嬉しそうに話しかけてくれた。
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