第45話 今夜はトキメキが止まらない
四人は夕方になって別荘へとやって来る。綾乃さんはシャンパンとグラスを持ってきた。
「今日は新さんと私の交際記念日になったので、一緒にカンパイしてください」
先輩はボトルを見て驚いく。「うそっ……ボンペリ……」
「綾乃さん、パパは何本くれたの?」呆れて聞くと。
「1本持ってきたけど、後で箱も届いたから5本かなあ」
先輩と顔を見合わせて呆れたように両手を広げ「オーマイゴッド」と言いながらひっくり返った。
四人は二人の交際記念日にカンパイする。
「瑠美さんってとっても頭いいんですね、すごいです、もし瑠美さんが来てくれなかったら半年たっても付き合うことにならなかったかもしれません」
僕はもじもじしながら下を見ている。
「ピロリーン」スマホがメッセージを届けた。
『まだ家出娘はいるの?』
「キター、ポケキャバ!!!」三人は吹き出した。
「新さん、私が出てもいいですか」
「どうぞ」スマホをさし出す。
『私が家出娘ですけど、今日付き合ってと告白されました、だからあきらめてください』
『えっ、どういうことなの?』
『今日から私が恋人になりました』
『春になったら遊びにおいでって言ってたのに』
『大丈夫ですよ、私も歓迎します、何かご不満があればいつでもメールしてください』
『わかりました、気が向いたらメールします』
「綾乃ちゃんもステキ!」瑠美さんは親指を立ててグッジョブサインをした。
「新さん、彼女と春に合うつもりだったんですか?」
「いえ、本当に来るとは思ってなかったんで……」頭をかいた。
「新、お前一生綾乃ちゃんに頭が上がらないなあ」
「先輩だって瑠美さんに頭が上がらないじゃないですか」
二人は納得して笑った。
「そうだ綾乃ちゃんのお祖父ちゃんが湧水を引いてくれてたことが分かって、掃除したら綺麗な湧水がたくさん出るんですよ、よかったらお風呂に入ってください。
「それはステキね」瑠美さんが喜んでいる。
「じゃあ湧水のお風呂いただきます」二人は下の階へと下りていった。
綾乃さんと顔を見合わせる。
「つきあって恋人同士だとそういうことなんですね」綾乃さんは目をぱちぱちとさせた。
「お風呂も一緒に入るんだ……」僕も目をぱちぱちさせた。
二人は顔を見合わせて少し赤くなる。外でフクロウが「ホーッ」と鳴いた。
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