公衆電話
バブみ道日丿宮組
お題:幼い電話 制限時間:15分
公衆電話
公衆電話の噂というのが最近学校で流行ってる。
なんでも異世界につながる電話機という話。いやいや電話がそんなところに繋がるなら、普段わたしたちが利用してる携帯電話はどこに繋がってしまうのかと反論したい。
妄想は妄想に過ぎないと根拠を探しに図書室へ。
「……ただの電話」
昔の写真が出てきたけど、そこには小銭を使って電話するという当たり前のことが書いてあった。しかも20年前には200メートル間隔であったという。
そんなたくさんあった公衆電話がどこにいったのかは不思議になる。壊されて再利用されてる……のだと思うけど携帯電話を持たないこもいるし……。
「……」
昔同じような電話が家にあったような気がする。いつからかデジタルに変わってた。旅館だから、とってあったのかな。なくす必要があるのかという疑問も出てくる。
けれど、お客さんは皆携帯電話を使ってるようだし……時代の流れかな。本にも普及にともなって撤去されたって。
「調べ物?」
「あっ、うん。公衆電話が気になって」
面を上げると図書室の主とも言われる幼馴染が不思議そうな顔をしてた。
「公衆電話? 調べる必要ある?」
「噂知らないの? 異世界行けるっていう」
「うーん、聞かないかな。まぁ……ぼくが聞き逃してる可能性はあるけど」
考えるように目をつぶって数秒、
「まっいっか。もっと調べたいならネット使うか市の図書館がいいと思うよ」
「そうなの?」
「ん、この学校の図書室は昔いた生徒によってラノベが6割、小説3割、資料1割になってるからね」
はじめてしった。通りでなかなか本が見つからなかったわけだ。
「それじゃ何しに図書室に?」
幼馴染の読書スピードであればすぐに読み終わるというか、小学生の時にさえ図書室制覇してたって聞いた。
「本読みにね」
スクールバッグから出てきたのは真新しくて分厚い本。
「辞書?」
「辞書……近いかな。白亜紀を舞台になぞの生命体が過去に戻ろうとする話」
どういったコンセプトなんだろう……ツッコんだらダメそう。
「まっぼくのことはいいよ。一緒に情報探してあげるからいこ」
「ちょ、ちょっとーー!?」
無理やり立たされてそのまま図書室の外へと誘導された。本は返却箱に入れられたからいいにしても……。
「す、少し落ち着こうよ?」
「大丈夫、慌ててない。本も情報も残ってるから」
そういうわけじゃないんだけどな……でも……幼馴染が協力してくれるならすぐに根拠にたどり着けるかも知れない。
「まずは図書館ね。あそこも品揃えが大概だけど」
図書館につくまで、そこにある本についての不評をまさか聞くことになるとは思いもしなかった。
公衆電話 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます