第31話 エロ名所三人美女③
瑞樹と刺激的な放課後を過ごした。本当に刺激的で、むしろ過剰摂取にも程があるくらいだった。恥じらいという概念を持たぬ彼女の行動は突拍子も無い。目の前で年頃の女の子が年頃の男の子の前で下着姿になりますか? 普通はなりませんよね? だから瑞樹は普通じゃないんですよ。
前にも言ったかもしれないけど、やっぱりエロには恥じらいが必須だ。恥じらう姿が人をより興奮させるんだと思う。だから俺は、そんな恥じらいを求めて、この生徒会室にやってきたんだ。そう、彼女はちゃんと恥じらいを持っているのだから!
「天王洲さん、パンツ見せてくだ——」
生徒会室に入ってすぐの出来事だ。俺のセリフを言い終わる前に天王洲さんが相変わらず硬いファイルを俺に投げつけてきてクリティカルヒット。毎度の事センス良いですよねその肩。世界狙えますよ。
「ちょっと……ファイルは止めましょう!? 普通に傷害罪ですから!」
「そういう西宮くんはセクハラじゃない。それに、声が大きいのよ。誰かに聞かれたら大変じゃない……」
「人が居ないのはちゃんと確認してましたけど」
「それでも、ダメ」
「以後気をつけます。それで、パンツは見せてくれるんですか?」
「み、見せるわけないじゃない……! だからもっと違ったセリフで口説いて欲しいのだけれど」
そうそう。これだよこれ。見せてと言ったら見せてくれない。頬を赤らめて恥ずかしがって身を捩って。学校にノーパンで来る人の所業とは思えないけど、俺が望む恥じらいがそこにはちゃんとあった。
「それでこそ天王洲さんですよ」
「何を言っているのかしら?」
「天王洲さんはそのまま変わらないでくださいって事です」
「変わるも変わらないも、私は私よ」
これでもし天王洲さんが普通にパンツとか見せてくるようになったら俺死にますから。リタだってどちらかと言えば恥じらいが無い方寄りだし、このピュアさは天王洲さんが無くしたら途絶えてしまうんだ。
「天王洲さんって基本可愛いですけど、カッコよくもなりますよね」
「カッコよくなんてないわ」
「いやいやいや〜、男の俺が惚れちゃうくらいカッコよかったり可愛かったりしますからね〜」
「あ、ありがとう……」
「照れてる天王洲さん、マジ可愛すぎます」
「か、からかわないの……」
あぁ、楽しい。癒される。俺が求めていたのはこんなやり取りだ。視線逸らしながらモジモジして、可愛いって言っただけで顔真っ赤になっちゃうなんて、とんだ可愛い子ちゃんじゃないか。
「ごめんくださーい!」
快活そうな声音と共に生徒会室の扉が開かれた。別に鍵なんかかかってないし誰でも入れるのだが、関係者以外の人が訪ねて来る事はほとんどなかったから珍しい。んでもって、反動的に声をした方に視線を向けると、金髪碧眼美少女のリタさんだった。なんでこの子生徒会室に来てんの?
「中也いたー!」
「えっと、リタ? なんで来た?」
「一緒に帰ろうと思って!」
「まだ仕事終わってないからさ」
「じゃあ終わるまで待ってる!」
「えっと……」
そんな俺とリタのやり取りを見ていた天王洲さんの表情をそろそろ見てみましょうか。
「…………」
なんと笑ってた! 笑顔だよ笑顔! 口元笑ってるけど目が全然笑ってない方が逆に怖いんですよ。
「えっと、リタさん。久しぶりね。西宮くんと帰ろうとするのは分かるけど、ここは生徒会なの。部外者が勝手に入ってプライベートで私的な約束をする場所じゃないのよ。お引き取り願えるかしら?」
「おひさしぶりです! 分かった、じゃあ私正門で待ってるから、終わったら来てね中也!」
そう言って俺の腕に抱きついてくるリタさん。柔らかい……やわらかぁい何かが当たってます。分かっててやってるのかワザとなのかは分からないけど、俺に効果抜群だって事は分かっていた。そしてリタは俺から手を離すと、最後に投げキッスで追い討ち。後ろから感じる熱い視線が……焼けるように痛いです。もう恐くて後向けませんよ。
「一度デートをしてから随分と仲良くなったのね。西宮くん」
「えっと……普段はあんな子じゃないんですけどね……」
「ふん、どうだか」
「拗ねないでくださいよ」
「やっぱり男は大きい方が好きなのね。鼻の下伸ばしてデレデレして」
「いや、あれはその……男の子として健全な反応なんですよこれが……! 俺がおかしいんじゃないです、おかしいのはリタなんです」
「男の子としては健全かもしれないけど、私としては遺憾なのよ」
「えぇ……」
そして天王洲さんは席を立ってズンズンと俺元へとやってくる。なにこれ、ビンタでもされんの……? そう思って目を瞑って身構えていると、訪れたのはビンタのような硬い感触ではなく、なんか柔らかい感触だった。それも頬に感じるのではなく、先程のリタと同じ腕にだった。
「え?」
「バカ……」
「え、えぇ……!?」
天王洲さんが俺の腕に抱きついていた。何が言いたいかもう分かるよね? 天王洲さんの柔らかい物が、天王洲さんの天王洲さんが俺に押し付けられているって事だった。
「上書きよ……どうせ今日はこのままリタさんと帰るんでしょ?」
「そ、そうですね……待ってるなんて言われちゃいましたし」
「だから……これくらいは……奪っておかないと……」
何がどうしてこうなったかはイマイチ理解できなかったけど、結果からしてみれば嫌われてはないし、ラッキースケベだし、グッジョブリタって感じで幸せな一時だった。
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