第6話 見返り奇人図③


 突然だが、男性のみんなは女性の胸は好きだろうか? 俺は好きだ。いや、大好きだ。その好きがどれくらいかと言うと、一日中おっぱいのことを考えられるくらいには大好きだ。おっぱいって最高。


 おっぱいって、素晴らしいんだよ! 柔らかいらしくてふわふわしてるらしくて、二つあって、丸くて……なぜ俺たち男はこんなにも女性の胸に惹かれるのだろうかと常日頃から疑問にも思っている。つまり何が言いたいかと言うとおっぱいって最高だって話だ。


 一説によると、胸はお尻の代わりであるとかないとか。

 人類がまだ四足歩行だった頃、オスはお尻に対して欲情していたらしく、それが二足歩行になったもんだから、こりゃいかんと。これじゃお尻が視界に入りにくいぞと。っということで、メスは胸を大きくして男性を惹きつけることができるように進化してきたとかしてないとか。つまり何が言いたいかって言うとおっぱいって最高だよねって話。


 まぁ、生物学的にはそうなのかもしれないけど、やはり言葉では言い表しにくい魅力がおっぱいにはあると思うんですよ俺は。それに、大きいおっぱいも小さいおっぱいもみんな魅力的だよね。大きいおっぱいはやはり、「おぉっ!」ってテンションが上がるし。もう、無条件に上がってしまうから神なのだ。つまり何が言いたいかって言うとおっぱいって最高って話だよ!。


 小さいおっぱいでもシュッとしてて素敵だよね。可愛らしい感じがするし。なにより服が綺麗にきこなせるところも素晴らしいと思う。なので、全てのおっぱいが正義と言っても過言ではないのが答え。おっぱいって最高。でも、どうせあるなら、大きい方が良くないか? ほら、大は小を兼ねるって言うし。それと慎ましやかな胸を恥ずかしげに隠そうとする姿が見ていて本当に保護欲をそそられると言いますか。つまり何が言いたいかって言うとおっぱいって最高って話だかんな!。


 服装もぴっちりした密着型も好きだし、シャツ型も好きだし、ワンピース型も好きだし。もはやなんでも好き。ビキニも最高だし、競泳水着も大好きだ。そこにおっぱいの作る膨らみがある限り、俺は感動して万歳してしまう。それ程までにおっぱいが作り上げる曲線美は素晴らしいモノなのだ。つまり何が言いたいかって言うとおっぱいって最高なんだってばよ!


 それに、おっぱいを見るのは何も、直接じゃなくて良い所がまたたまらないんだよ。服の上からでもいいし、ブラ越しでもいい。これ、パンツは普通に見るよりパンチラの方がエロいみたいな話と同じ理屈だ。おっぱいって最高いや、むしろ見えそうで見えない方がエロいみたいな。乳首は隠されてるほうが逆に良いみたいな感覚だ。何が言いたいかって言うとやっぱりおっぱいって最高だよな。


 やはりブラも、そしてありのままのおっぱいも、見えないことに価値があったりする。もはやそこにおっぱいがあるということに価値があるのだ。おっぱいって最高。ありがとうおっぱい。これからもずっと俺はおっぱいが好きってことを誇りに思っていこうと無い胸に誓った。おっぱいって最高。



 そんな事を考えていた頃が俺にもあった。そんな事を考えていた学生時代が俺にはあった。おっぱい第一、おっぱい最優先、おっぱい至上主義。


 そんなおっぱい星人であった俺の現在はというと……


「中也! 一緒にお風呂入ろ!」

「入りません」

「えーイイじゃーん」


 そう言って折角背中を向けて視界をシャットアウトしたのに、その背中に破壊力抜群のメロンを押しつけられている状況だった。

 この金髪碧眼美少女改めて、居候娘は自分持っている物を武器だと分かっていて、それでいて確信犯として押しつけてきている。グリグリと押しつけて、丸いポッチのスペランカーを押しつけて、俺の理性を壊そうと目論んでいる。


 先程、おっぱいの魅力について熱く語ったのは記憶に新しいと思う。なら、当然疑問に思っているかもしれない。おっぱいがそんなに好きなら、それはご褒美ではないのだろうかと?

 答えは、全然ご褒美じゃない。だってそこには初々しさも神々しさも何もない、ただの二つのおっぱいなのだから。おっぱいソムリエ1級の俺の目は誤魔化せない。

 興奮もする。反応しちゃう。だけどそこに美しさは何もないのだ。ただ、性欲として下半身が生理的に反応するだけだ。


 日本人なら誰しもお米、ご飯は馴染み深いだろう。ご飯は好き。だけどご飯と別の物が合わさると好みじゃないって人も少なからずいるだろう。ご飯は何にでも合うとは言うけれど、三者三葉であって、十人十色であって、百人百様なのだ。合うと思う人がいたとしても、それが合わないと思う人だっている。


 おっぱいも同じだ。おっぱいと清楚は合えど、おっぱいと痴女は合わない。自ら身体を売る行為は、いくら高校生とはいえ、青い春を売るような行為に応える事はできない。


「ちゅうやぁ〜!」

「は、離れて……」

「そんなコト言ってぇ、内心喜んでるクセに〜! 可愛い!」

「う、うるさい……!」


 言葉では否定しても、息子だけは正直物だ。だけど、別に手放しで喜べる物でも無いから、息子は上を向けど、気持ちは下を向くばかりだ。

 居候娘の、リタの家の事情はよく知らない。でも、好きでもない相手と、親が決めた相手と結婚させられるのは運命がある所に同情が無いわけではない。けど、それをどうにかするのが俺の役目だってのは理解できない。けど、その事実をリタにどう伝えればいい? ストレートに言えばいいのか? けど、身の丈を知って少なからず同情があるから……けど俺には心に決めた訳ではないけど、口説くって決めた人がいるわけで。


「やっぱりあの人しかいないよな」


 困った事があったら相談に乗ってもらうべきだ。自分一人で抱え込まずに、友達に話たりして解決する。お互いに支え合うのが人って概念なんだから。


 だから、俺はこの件を相談する事にした。他でもない、あの名器の持ち主にだ!



 






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る