第3話

今日、謎の美少女が家に来た。いや、昨日か......?

朝から結構刺激の強いものを......ま、まあ、別にいいけどさ......。


「......ふぅ」


学校に来て自分の席に着いたかと思えば、まずは外の景色を見てため息。

その日によって考えることは違うが......今日は、氷空について考えていた。

氷空は童顔に小柄な体躯たいく、優しい性格と言う......朝会っただけだが、まあそんな感じ。

そんなことを考えつつも、教室を見渡してみる。

本を読んでいる人、少人数のグループになって話をしている人たち......と、一人の少女と目が合ってしまった。

その少女は俺と目が合った後会釈をし本読みに入っていった。


「あれ......あんな子いたっけか......?」


そう。俺はこのクラスになり数カ月過ごしているが、その少女だけは初めて見た。

間違って別の教室から入ってきたのかなと思ったが、そんなことはなかった。

というか、始業式にあんな子いたか......?いや、俺が忘れているだけだ......うん......。

と、そこへ。


「――おーすっ、元気か綾乃?」


俺の友人である、佐藤吉柳さとうきりゅうは、笑いながら俺に話しかける。


「まあ一応」

「一応ー?どういうことだってば、朝からなーんか憂鬱そうなしやがってよー」

「いや、昨日......」


そこまで言って、氷空が言っていたことを思い出した。

言ったとしても別になにかある訳は......と思ったが、氷空の言うことは守らないと。


「昨日?何があったんだよ?」

「え、ああいや、ちょっとハマってるゲームを朝までやっててさ......ははっ」


俺は適当な理由をつけ、最後には乾いた笑いを返した。









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