7.やらかしたみたい

シャルのあのドレス姿が可愛すぎて少し焦りが出たらしい。

手を出そうとするバカが絶対にいる。

そのために一気に進めた。

溜まっていた仕事も寝る間も惜しんで進めたら寝不足で倒れた。

本末転倒で笑えないな。



***



「殿下。お見舞いに参りました。」


幻聴?幻覚?会いたいと思っていたからかな?


「…ん?…なんで……来たの?」


眠いからか思考がはっきりとしないし言葉もまともじゃないなぁ。


「お父様に行くよう仰せつかったので。こんな時に私の顔なんか見たくもないかと思いますけどね。」


シャルのドレスがいつもと違ってシンプルなワンピースって感じですごいかわいい。

心做しか彼女の言葉にはいつものような棘もない。


「何をされているんですか?」


かわいいなぁ。


「しゃる…なんかいつもと…夢か…」


夢なら手に入れられるのかな?

引き寄せて目元…ついで鼻にキスをすれば驚いた表情の可愛い顔がある。

本当にかわいい…

細いなぁ。

折ってしまいそうだ。

ゆっくりと指を動かしていくと女性特有の柔らかな膨らみが感じられる。


「柔らかい………え?柔ら…」


え?!まさか夢じゃない?!

思わず触れていた膨らみを握って確かめてしまうととても柔らかな感触と…


「ひゃ!」


とても可愛らしい声が…

涙目のシャルの顔がうつる。


「わっ!えっ!うそっ!ごめん。あなたにこんなことするつもりじゃ…」


急いで手をどけ謝るけど…本当にやらかした…

夢だと思っていたとはいえ…

怖い思いさせただろうか…

どうすればいいか分からずにしているとシャルが深呼吸をして口火を切った。


「殿下。女性の体にそのようなことをするなんて最低です。それに加え私を“シャル”という方と間違えるというのは更に…変な方に夜這いされて襲うなんていうことがございませんようお気をつけください。そんなことになっては責任をとるよう言われてしまうかもしれませんので。ではご機嫌麗しゅう。」


それだけ言うと立ち上がって髪とドレスを直して部屋を出ていった。

え?ちょっと待って!やばい!体がふらつく!

はぁ…

確かに自分でも了承もなしにで最低だと思うけど…

“シャル”と言う方ってあなただよ!

あーもう…

どんな勘違いをしてそうなったのか…


にしても…可愛かった…

目元や鼻にキスをしただけなのに驚いて少し赤くなっていた表情…

あのまま口にしておけば…

そんなことをすればもっとやらかしていただろうけど。

あれは普段着のドレスだろうか。

変に飾った雰囲気もなく彼女の魅力がよく引き出されていて…

布の上からでも肌の温かさが伝わって…

あの柔らかな膨らみにかわいい声……あ…

しばらくシャルに謝罪を…でも…どう謝れば…

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