第4話 金をよこせ
僕がバエル様の育児に奮闘しているのを見て、ほんの少しだけ手伝ってくれるようになった将冴君。それに加え、マルファスさんの助けもあって、魔王城での育児奮闘に慣れてきた今日この頃。
今、僕は魔界最大の商業都市――ダゴルベ――にいる。もちろんバエル様は僕の腕の中だ。
なぜダゴルベにいるかと言うと、装備品を揃えるためである。先日、魔王城で魔王様にどういった教育を施すか話題が上がった。将冴君の提案で、教育及び世界征服の一歩として人間界に降りようという話になったのだ。しかし、僕ら双子はこの世界では赤ん坊のようなもの。まずは魔界の事を知り、装備を揃えるという名目でこのダゴルベに来たのだが――
――思ったより、発展していないなぁ……。
魔界最大の商業都市と聞いていた僕達は、目の前の景色に戸惑いを隠せなかった。たしかに、人が多くて賑わいはあるのだが――
「屋台がずらっと並んで、お祭りみたい……」
僕のポツリと零した感想を、マルファスさんは拾い上げて答えてくれる。
「そうですね。数百年前は屋台などではなく、美しい建造物が並ぶ活気ある都市だったのですが……。あぁ、あの頃が懐かしいです」
マルファスさんは感慨深そうに、遠くを見つめる目をしている。
「元々は、もっと発展してたってことですか?」
「えぇ、もちろん。もうその頃の姿は欠片もないですがね。これも全部……。あの忌々しい……、あの勇者のせいです!! ~~~っ!」
マルファスさんが拳を握りながら、怒りを露にしている。それとは対照的に、隣にいる将冴君は興味なさげにボーっとしている。
――まぁ……、そうだよね……。
発展していた都市が滅ぼされたのは可哀そうだとは思う。だけど、ハッキリ言って僕らには関係のないことだ。僕らはあくまで彼らの身に降りかかった悲劇を聞いたり知ったり出来るだけ。そこに感情を差し込むことはない。なぜなら、僕らは魔界の悪魔や魔物ではないから。そう。それはまるで歴史の授業を聞いているような感覚に近い。
何だかんだ一緒に過ごしているマルファスさんの感情には僕自身多少揺さぶられるが、魔界がどうなろうが知ったことじゃない。僕らは一年をやり過ごし、生きて自由を手にいれる事が重要なのであり、魔界がどうなろうが知ったことではないのだ。
対照的な二人を見比べながら、将冴君と自分の思考を読み解いていると、マルファスさんはハッとしていつも通りの表情に戻った。
「和音さん。バエル様をなるべく隠して移動してくださいね」
「え? 何でですか?」
「この都市を滅ぼしたのは、勇者アレクサンダー・アインホルンの一行です。非戦闘員であったこの都市の人々は、無残にも彼らの手で一掃されてしまいました。そして、今ここにいる人たちは辛うじて生き延びた生き残りの子孫の方々です」
「それは分かったけど、何でバエル様を隠さないといけないんですか?」
「本来憎むべき相手は勇者一行ですが……」
マルファスさんは一瞬躊躇うような素振りをして、目を逸らしながら口を開く。
「少し手違いがあって、呼んでもない応援がこの都市に来たせいで、バエル様は彼らの怒りを買ってしまったのです」
「え、何でそんなとこに僕らを連れてきたの?」
「それはこの都市が魔界で一番道具が揃う場所ですし、貴方方に魔界の現状を知って頂くには、被害が一番大きかったこの場所を見て知ってもらうのが一番良いと思ったのです」
――現状を知るかぁ……。
この都市の現状。繁栄していた当時の姿を知らない僕らにとって、この場所が勇者達の手によって滅ぼされかけた場所だと言われても実感はない。目の前にいる人達は、角が生えていたり、獣みたいな耳や尻尾があったり、化け物と言っても差し支えないような姿をしている者もいる。
姿は違えど、そこでは売り込みをかける屋台の商売人、値踏みして商品を見比べている行商人、手をつなぎながら屋台の前を歩く親子。沢山の人々がいる。皆、生き生きしているように見えるし、活気があるように思う。
屋台もたくさんの種類があって、アクセサリー、帽子、乾物、本、薬草、鉱石、武器、布、見たことのない何か……。僕らの視界に入る物は、どれも真新しく珍しい物ばかり。
つい目を引かれたアクセサリーを指さし、将吾君に声をかける。
「ねぇねぇ、将冴君。あそこに『嫌いな相手が不幸になるおまじない』が売ってるよ。買っとく?」
「何でそんなものに興味持つんだ。あ、おい、和音。目玉……? 目玉キャンディって書いてあるぞ」
「おろろろ」
「うぉ!?」
あまりにもグロテスクな臓物屋を見て、朝食のパンだったものを吐き出してしまう。そして、不幸なことに、その吐き出した一部がバエル様を包む布にかかってしまい――
「おぎゃぁぁああ」
けたたましいほどよく通るバエル様の泣き声に、皆の注目が集まる。バエル様が暴れまくるせいで、彼を包んでいた白い布が外れて、赤毛が人の目に晒される。彼らはその特徴的な赤色を見て、ざわつき始めた。
「おい、あれって……」
「間違いねぇ。あの色は……! きっと、魔王にちがいねぇ!」
次第にそれは広がり、皆の視線が僕らへと向かう。そこから感じ取れる感情は、怒りや恐怖、それに殺意が混じっているのが分かる。僕に向けられているわけではないのに、ゾッとするほど嫌な感じがした。
――だめだ! 赤子にこんな視線を浴びせてはいけない!
僕の足は無意識のうちに駆け出し、まだ自分達に気付いていない人だかりを選び、その間をかき分けて行く。行き交う人々と肩をぶつけ合いながら、しっかりと自分の身体でバエル様を守りながら走った。
「「和音!」さん!」
後ろから聞こえる片割れと悪魔の声を無視し、無我夢中で走った先は廃墟の跡地。さっきとは打って変わり、辺りに人はおらず、とても静かだ。
僕はグズグズと泣いている魔王様を抱え直す。
「ごめんね……。服汚しちゃって……」
「あぅ、あぅ……」
バアル様の布をまき直し、汚れた部分は巻かずに足元の方へやる。
顔を上げて周囲を見渡すも、目の前には大きな建造物がそこにあったと分かる残骸があるだけ。それが遠く向こうまで続いていた。まるで遺跡だ。
バエル様を抱え、何もないその場所を歩いてまわる。風景は変わらない。どこもかしこも瓦礫が積み立てられているだけだった。
あまりにも同じ風景が広がっているため、自分でもどの方向からやって来たのかわからなくなってしまい、足が止まる。はぐれてしまった僕達は、荒廃した廃墟を彷徨うことしか出来ない。まるでゴールがない迷路の中にいるようだ。
「どうしよう……」
彼らの声を振り切ってここまで来てしまったことを、今更ながらに後悔する。
少し落ち着こうと思い、辺りを見渡し、辛うじて形が残っている壁を見つける。その壁は僕の腰程度の高さ。それが高さを変えながら向こうまで続き、元々は大きな建物であっただろうことがよくわかる。
――ここに、立派な建物が並んでいたのかな……?
マルファスさんの話を思い出し、壁にそっと触れる。パラパラと破片が落ちていき、手には砂が付着した。
――この壁を背にして休むのは危ないか……。
そう思い、もっといい場所を探そうと壁から視線を逸らす。その拍子に、少し離れた壁に寄りかかっている人物を視界に捉え、急いで近づいた。
「あの!」
「……、……を……くれ……」
ボロボロの服を着た雄の獣人。体毛は砂まみれになっており、掠れた声で呟いている。何を言っているかはっきりと聞き取れないが、その掠れた声からおそらく水を欲しているのではないかと思い至る。
「すみません、僕、今水を持ってなくて……。近くにあるようでしたら、急いで取りに行きますが」
俯いていた獣人はゆっくりと顔を上げ、グレーの体毛で隠れていた美しい青い目が現れる。
海の底のような飲み込まれる青に、射貫かれ、言葉を失う。そんな僕に向かって、獣人はその口を大きく開き、言った。
「……。かねを……。金をよこせええええええ!」
目の前の美しい獣は、先ほどまで死にかけのような声を出していたはず。だが、急にハッキリとした口調で僕に向かって吠え、襲いかかってきた。驚いた拍子に後ろに下がった僕の足が瓦礫に躓き、受け身も取れず背後へ倒れる。
――やばい、倒れる!
沈んでいく上半身とは反対に勢いよく上がった右足が、襲いかかってきた獣人の顎を奇麗に捉え、まるで花開くように互いにひっくり返る。バエル様は左手で死守したが、僕のお尻は悲鳴を上げた。
「~~~~っ!!」
臀部から生じる痛みに悶える。何とか立ち上がった時には、生まれたての小鹿のように足が震え、お爺さんのように腰を曲げていた。打ちどころが悪かったのか、獣人は未だに気絶したままだ。
「こ、こいつつぅぅ……」
バエル様のおべべを一部拝借した布(僕が吐き戻して汚した部分)を使い、気絶した獣人の腕を縛り上げる。ちなみに、バエル様を巻いていた布はとても長い布なので、拝借しても特に問題はない。
獣人の頬をぺちぺちと叩くと、やっと獣人は気が付いた。
「急に襲いかかるなんて、危ないでしょ!? 何がしたいの!?」
「……ふんっ。んなの、決まってんだろ! 金を奪ってやるためさ!」
獣人は威嚇する様にぐるると喉を鳴らしている。
「僕、金なんて一銭も持っていないよ!」
「嘘だ! 上等な服着てるじゃねえか!」
自分の服装を見る。僕が着ているのは極々普通の学生服。だけど、目の前の男はボロボロの布切れ。
この世界でこの制服が上等な服かは定かではないが、目の前の男よりは立派であろうことは僕でもわかる。だから、上着を脱いで黙って男に差し出した。
「なんだよ……」
「これをあげるから、もう襲わないでよ。あんな風に驚かされたら、ビックリして尾骶骨やられちゃうでしょ?」
「そ、それはアンタくらいだと思うけど……」
「な! 僕わかるんだぞ! 今僕を馬鹿にしたでしょ!?」
「フン。でもそんな馬鹿に気絶させられちまう、俺も大概だがな……」
これほどボロボロの姿をしているんだ。きっと、この都市の生き残りで、貧民にちがいない。そう考えると目の前の獣人を哀れに思った。
「お金が必要だとか言っていたけど、あれかな? 妹が病気でとか、そういうのでしょ?」
「俺に兄弟はいない。俺は一人だ」
「そっか。じゃあ、えっと……。あれかな? この都市が勇者達に襲われて、家がなくなっちゃったとかそういう――」
「いや、俺はここの出身じゃねえ。俺が人を襲うのは私利私欲のためだ。ここは商業都市だから、金を持ってるやつが集まると思ってな。迷ってこの場所に来たやつらから、金をせしめているんだ」
「あ~~~、そっかぁ~~!!」
――さすが、魔界! 清々しいほどの悪だ!
「僕、君みたいにハッキリ言う人は結構好きだよ。やってることは褒められたことじゃないけど」
「お前に好かれてもな……。じゃあ、この腕の拘束解けよ」
「それはだめ。また襲われたら大変だし」
「っち……。ん……? そのガキ……もしかして」
僕は慌ててバエル様を隠す。
――やっば。布をちぎったから頭隠れてなかった! いっけね!
「ふっ……。ふははっははは!」
バエル様の姿を見て、獣人は高らかに笑い出す。僕が何事かと驚いていると、落ち着きを取り戻した獣人が口を開いた。
「よくそんなやつを連れて、この都市に来れたな。殺してくれって言っているようなもんだぜ?」
「あ、それ。ほんとさっきヤバかったんだよ」
僕の発言に、「だろうな」と獣人は頷く。
「なんで、バエル様はそんなに嫌われてんの? この都市をぶっ壊したのは勇者の奴らなんだろ?」
「そりゃそうだろ。この都市に住んでたやつらはほとんど非戦闘員。この都市の奴らは魔王に助けを求めた。しかし、魔王軍は中々援軍を出さず、この都市の八割の住人が死んだ。勇者達が去った後、四天王の一人が救援としてこの都市にやってきた。住人はコイツに勇者の討伐を求めたが、コイツがクソみたいなヤツでなぁ。ソイツは彼らの願いを聞くことなく、悲しみに暮れる遺族達から死体を回収し、全員もれなくアンデッドにしちまった」
――こんな話、マルファスさんから聞いていない!
新情報に驚く。でもたしかに『呼んでもない応援がこの都市に来た』とマルファスさんは言っていた。それが、獣人の言う四天王の事なのかもしれない。
「魔王軍に四天王なんかいる……、いたの?」
「まぁ、ずいぶん昔の話だ。ここの奴らをアンデッドに変えたのは、バルバス・ヴァンと言う吸血鬼らしい」
「じゃあそのバルバスが憎まれるべきじゃないの?」
「そうだな。だが責任を取るのはいつも上の役目と決まっているだろう。部下の不始末は上司の不始末ってことで、バエルは憎まれてんだよ。ったく、恨む相手を間違えるなんて、ここの奴らも馬鹿だよな」
「なに? その口ぶりは。君はバエル様は悪くないって言いたいの?」
「あぁ。それに、俺はこの都市出身でもないし、恨みもねぇな」
マルファスさんからは、基本的にバエル様は民衆に嫌われていると聞いていた。目の前の獣人は否定したが、彼がバエル様に敵意がないというのは本当なのだろうか。
「俺の親父も似たようなあれで、あれだったからな。俺はそういうあれ。嫌いなんだあれ」
「すごい指示語使ってくるじゃん。なんかわかってるキャラから、急に残念な感じになっちゃったじゃん」
「そういうわけで、俺は別にバエルの事は恨んじゃいねぇ」
目の前の獣人はバエル様に敵意を持っていないと言う。その言葉を素直に信じるのであれば、この世界では珍しい人物。
ならば、この獣人を三人目の魔王軍に追加した方がいいのではないだろうか。見た目はボロボロだが、味方がいない我々の仲間になってくれる珍しい人物なのでは?
僕が素晴らしいアイデアを思いついていると、丁度いいところに将冴君とマルファスさんがやってくる。僕はお尻の痛みも忘れて、全身で彼らを出迎えた。
「将冴君にマルファスさん! 見つけてくれるって信じてたよ!」
「やっと見つけた……。お前、地味に足が速いんだよ」
「将冴君に褒められると照れるなぁ」
「おや? そちらの方は?」
マルファスさんは獣人の方を見る。獣人を紹介しようとしてハッとする。そう言えば僕も獣人の名前を知らない。
「ねぇ、君――」
「オレが襲われていたコイツを守ってやったんだ。だから、金をよこせ」
――ああ~~~。嘘ついてるよぉお~~~。金をせびるチンピラに戻っちゃったよぉ~~!
獣人は縛られたまま動けないので、体を左右に揺らしながら、一番お金をもってそうなマルファスさんにせびり始める。
「金を寄越せ」と繰り返す獣人に名前を聞くのは難しいかもしれないと思い、僕は彼の特徴を踏まえて将冴君達に紹介する。
「こちら、カツアゲ君です」
先ほどまでこちらを見向きもしなかった獣人が僕の方へグルリと顔を向け、僕の言葉を否定し始める。それに僕はすかさず合いの手を入れた。
「そんな名前なわけないだろう。俺の名前は「カツアゲ君」。~~っ! 黙れ! 俺の名前は「カツアゲ君」! ……。もういい、何でもいい!」
やけになり始めたカツアゲ君に、マルファスさんが同情する様に眉を顰めて話しかける。
「名前がカツアゲ君でいいんですか? 一生付いてまわりますよ。その名前」
「うるさい」
「止めたげてよう。将来まで不安にさせないであげてよう」
「その、カツアゲ君は和音を助けてくれたのか?」
「そうだ、感謝してくれ」
カツアゲ君は顎をフイっと上げる。何度も何度も。
「何? それ?」
「お前なら分かるだろう?」
僕はカツアゲ君の肩を掴んで、マルファスさんの方へ振り向く。
「マルファスさん。カツアゲ君が魔王軍に入りたいそうです」
「俺はそんなこと――」
カツアゲ君よりも先に、僕はマルファスさんに質問した。
「魔王軍に入れば、お給料は出ますか?」
「出ます」
「じゃあ、よろしく」
お金がもらえることを聞いてすぐさま、態度を改めるカツアゲ君。拘束していた布を外してもらい、マルファスさんに固い握手を求めるカツアゲ君。変わり身の速さが尋常ではない。
「さて、カツアゲさんは何か得意なことはありますか?」
「ない。とりあえず戦闘は受け付けん」
――得意なこと聞いてるのに、嫌いなもの答えていくスタイルかあ〜〜。流石、カツアゲ君。
「掃除も汚れるから嫌だし、雑用も面倒くさいから嫌だ」
――おや? もしやこの獣人……。
「何もしたくない。だけど金はよこせ」
その言葉を聞いて僕は右手を額に当てて、思わず心に思ったことをそのまま口に出してしまう。
「クズゥ! やっぱり、清々しいほどのクズだったぁ!」
「困りましたねぇ」
あまり困ってなさそうな顔をしているマルファスさんが、カツアゲ君の腰の方を指さす。
「おや? その腰にぶら下げているのは、世界に三本しかないと言われている、刀剣シリーズの『黒曜』じゃないですか?」
「ん? あんた、そんなのよく知ってるな……。そうだコレは『黒曜』。親父から唯一譲り受けたものだ」
カツアゲ君の腰を見ると、たしかに小刀がぶら下がっていた。
「え? なんかすごい武器なんですか?」
「あれは世にも珍しい包丁です」
「え? なんで、包丁? なんで包丁を腰にぶら下げてんの?」
「俺はコックだからな!」
カツアゲくんは少し照れくさそうに頭をかく。
「あるじゃぁぁあん! 得意なことあるじゃあぁん! 何でさっき言わなかったの?」
カツアゲ君は、腰にぶら下げている黒曜に手を当て答える
「何もしたくねえからだよ。しかし、コイツの事を知っている奴がいるとはな……」
「じゃあ、カツアゲ君には魔王軍の専属コックにでもなってもらいましょうか」
「面倒くせぇけど、給料は弾めよ」
――おぉ……なんか、仲間が増えたぞ……!
「仲間を見つけてくるなんて、流石だな、和音」
将冴君から褒められ鼻を高くしていると、存在を主張するようにバエル様が泣き始める。
「あ、魔力補給の時間でちゅね〜。ほぉら、親指チュパチュパタイムどうぞ〜。あぁっ……! うは……。やっぱり……、これ……しゅ、しゅごい……っ♡」
バエル様のお食事タイムを初めて見たカツアゲ君は、不快そうな顔をしてこちらを見る。
「何だこいつ……」
「和音さんは不思議な方なんです」
「不思議……、ねぇ……」
その後、マルファスさんに別人に見える魔法をかけてもらい、市場で服や装備品を買った。この魔法は人に肌を直接触れられたりしない限り、正体がバレることはないらしい。
いや、マルファスさん。そんな魔法使えるんだったら、最初から使ってよ! えへへじゃないよ! マルファスさん!
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