ムネシゲ異世界に立つ!!
「ふんっ!」
「ブギャアアアアア!?」
少々見苦しい悲鳴をあげながら、なんとも
鼻と喉に
(ふむ……豚も
185cmという、日本人の平均身長を
聞き苦しい音をスルーしながら、準備体操をするように身体をほぐしていく宗茂だが、しかしながら、その表情は明るくはない、が、それも無理はない。
今の状況、彼からすれば不可解でしかないからだ。
(森、だな……なにがどうなってる?)
彼の最後の記憶。それは、あの小さな漁村で、テロリストたちを
本多 宗茂という
(殺されずに森へ
そんなことを考えていた宗茂の視界に映るのは、痛みをこらえながら、必死に立ち上がろうとするオーク。
「よくわからんが、とりあえず――」
「プギャ!?」
身体を
オーク自身の経験、幼少の頃に教え込まれた常識、それらの基準からかけ離れた現状を、何一つ理解できなかったからだ。
――人族のオスは食料。
オークのように、多少の知性を有している――正しく
自分たちよりも格下の生物であり、単なる食料でしかない、
そんな哀れな存在である人族から、これまで体験したことのない激痛を与えられた。しかも、その痛みをもたらした者が、いつのまにか目の前に立っていたのだ。
驚くのも当然、戸惑うのも仕方がない。
オークにとっては、実に災難な出来事である。
「――死んでおけ」
だが、驚き戸惑うことができるだけ、
背中から地面に向けて崩れ落ちる勢いのままに、オークの左胸から右腕を引き抜いた宗茂は、
(……どこで洗えるんだ、これ)
血まみれになった右腕をみつめ、半袖でよかったなと、不幸中の幸いをよろこび、乾いた木肌で腕の血をぬぐう宗茂がそこにいた。
およそ2時間後。
強烈な森の香り、その中に微かに
(……獣が多すぎるな)
宗茂が、心の内でそんな言葉を漏らした理由は、野生の獣。しかも、そのほとんどが宗茂よりも大きなサイズの獣――魔物が、
探索開始当初は、襲い来る者達すべてを
そんな終わりのない状況に、さすがの宗茂も
(それにしても……)
川辺までの道中で襲ってきた魔物たちも含め、この森で遭遇した獣達は、宗茂の記憶にある動物の姿とは異なる、妙な出で立ちをしたものが多数だった。
(頭が2つある犬とか、羽が生えてる青いトカゲとか……わけがわからん)
未知との
まして、手元にあるのは、運よく壊れていなかった愛用の腕時計と、これまた愛用の軍用サバイバルナイフだけ。
完全武装には
(まあいい、それより今は――)
気配を消すことで、
「いやあああああ!?」
そんな宗茂の耳に、危険な状況に陥っていることを十分に理解させる、女性の
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