第8話
「どうした!?急に大声出すなんて珍しいな。」
オレの声に驚き、未来の目が大きく広がる。
「あ、悪かった。オレさ…。」
ゲームが出来る方法が1つだけある。
「オレ転校するわ。」
転校すれば1から人間関係を作ることが出来る。
もうこの方法しかない。
少しの沈黙の後、未来が耐えきれず笑い出した。
「転校?お前が??マジな顔したかと思ったけど、やっぱりろくな事がなかったな。」
完全に冗談だと思われてる。
「いや、マジメに転校するから。オレ。」
真剣な顔をして言うと未来の目が大きく開いた。
「…お前、本当に転校する気?」
「あぁ、オレは本気だ。」
そんな会話をしているオレたちの周りでは盗み聞きしていた生徒たちがざわつき始めた。
チラチラとオレたちの様子を伺っているが、気にせず持ってきていた荷物を黒色の猫の形をしたカバンの中に入れ、立ち上がる。
あたりを見渡すと、いつの間にか教室にいる全員がオレを見いていた。
不思議な感覚だな。
どこか他人事のような感覚がオレを満たした。
再び未来を見ると想像以上に困惑した顔をしている。
確かに友人が突然転校とか言い出したらオレだって困惑するだろうな。
少し罪悪感を感じたが、頭を振って無心を演じる。
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