第6話

そんな先生をただボーッと眺めていると、幼馴染の佐東未来さとうみらいがオレの席までやって来た。


「うす!修也。」


「おぉ、未来。」


爽やかに挨拶をする未来に対し、ぎこちない言葉で返す。


授業の間の10分休憩は大体が未来がオレの席へやって来て話をする。


未来の世間話を一方的に聞く方が多いんだが。


まぁ、だからと言ってそれほど苦ではない。


「お前さっきの授業相変わらずボーッとしてたな。後ろからでもわかったぞ。」


「しょうがないだろ?あの先生の授業はつまらねぇし、決めた人にしか当てねぇし。今月何回当てられたっけ?」


ニヤニヤと茶化す未来に、わざとらしく指をおって数えるフリをした。


「ははっ!確かにな〜。要点を話すまでが長すぎるから数学ムリなヤツは余計わかんないだろうな。ちなみに僕がそう。」


得意げに言うことではないと思うが、確かに未来の言う通りだ。


現にオレもそうだしな。


先に結論を言わず、だらだら話しているから生徒たちも飽きてしまう。



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