第4話

意味もなくめくっていた数学ノートの最後のページに【ごめんね。】と書かれていた。


オレの字…ではないな。


普段このノートは人に貸さないし、ましてはノートで謝られるほど誰かといざこざを起こした覚えもない。


シャーペンで書いているし、消せばいい話なんだが。


なぜか気になってしまう。


1年の頃から使っている物だし、昔誰かに貸した気もするな。


一体誰が……。


まぁ、いいか。


誰が書いたかわかったとしても、別に何かあるってわけでもないし。


そんなことより1回くらいはゲームをしてみたい。


そう思いながら、オレがゲームの主催者になっている姿を想像してみる。


徐々に本性を現して、自分だけが生き残ろうと裏切りあう生徒たち。


想像しただけで、言葉では表すことが出来ない感情で心が満たされていく。


そんなことを考えていたら授業が終わることを知らせるチャイムが遠くの方から聞こえてきた。


あ、終わったのか。

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