ゆめとおもいでとつぐないのしな
スーパーからの帰り道、公園では小学校低学年くらいの子供たちが
水遊びをしていた。
懐かしい、僕も莉紗と水鉄砲で遊んだりしてたけど、
結局2人とも風邪をひいたっけ。
ドアを開けると案の定
「おそーい、なにしてたのよー」
という母の小言が飛んできた。
「ごめんごめん、清水先輩に捕まっちゃってさ」
「ああ、あの武士みたいな喋り方するっていってた人?」
「そうそう」
「へえー、それより早くすいか切ってよー
お母さん待ちくたびれちゃったわよー」
切る気は無いのか。
仕方なく2人分を切り分けて持っていくと、
机の上に冷やし中華が2人分並んでいた。
なるほど、すいかはデザートか。
すいかを食べ終わったてだらだらと漫画を読んだ後、
陽が沈んでから僕は自室でアルバムを開いていた。
なぜかわからなけど無性に見たくなったのだ。
写真の中の莉紗に会いたくなったのかもしれない。
アルバム②と書かれた冊子を開くと小学校に入学する前の写真が並んでいた。
田舎のおばあちゃん家で流しそうめんをした時の写真や莉紗の家族とキャンプに行った時の写真がある中、一枚の写真に目が止まった。
(これ、懐かしいな)
目を真っ赤にした莉紗がオレオのミニパックを持って笑っている写真だ。
確か小学1年生の時に宿題の振りのをなくしたと大騒ぎして2人で必死探して、
結局ランドセルの奥底にぐしゃぐしゃに折れて眠っていた、というオチで
莉紗が夕飯時にお詫びとして自分の大好きなオレオのミニパックを持ってきた時の写真だ。
(オレオ買ってこようかな)
ベッドにばたんと倒れると僕はパジャマにも着替えずに
そのまま誰かに呼ばれるように深い眠りについた。
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