聖者の遺物

音澤 煙管

行進行進……また行進。




罪深い者は、

その姿を鏡に映しても

決して解りはしないだろう。


ただ時が過ぎてゆく意味を、

黙って見つめるだけで

いつまでも暗闇から出られない。


本当の姿か?仮の姿なのか?

偽物の自分なんだろうか?

本当の自分はどこだろう?


生きてゆく事すら忘れて、

呆然と悔やむ時を過ごしてゆく。


逆立ちしても今が変わらない、

他の町へ暮らしても

決して癒えること無く

情け無い気持ちだけに叩かれる。


自傷したとしても、

このままずっと眠り続けても、

そんな心の主には明日は訪れない。


さぁ、もう終わりにしよう!


疲れた聖者は、

過去の遺物を捨て歩き出す……



それが今の自分なんだ。

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聖者の遺物 音澤 煙管 @vrymtl

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