第4話 勇者とは?
卒業後は、勇者様と共に魔王を討つパーティの篩に掛けられるべく、出向日には斡旋所に出向かなくてはならなかった。
「はぁ・・・ こんな事してる内に、限定モデルのターバンが売り切れたらどうするんだ。よりにもよって、どうして今日が出向日なんだ…」
隅っこで毒づくアタシとは対照的に、斡旋所は新人たちの活気で満ち溢れていた。
数分後、斡旋所がざわつき出した。どうやら本日の主役のご登場らしい。
「さて…と、誰を選ぼうかなぁ?」
「キャー! 勇者様ぁ!」
「勇者様! この戦士をお選びください、きっとお役に立ってみせます!」
「いやいや、わたくしめをパーティに加えてください! 立ちはだかる魔物どもを、魔法で一掃してご覧にいれます!」
「ははっ、OKOK! ちょっと待ってくれよみんな、ちゃんと話を聞くからさ。そんな慌てないでくれないかい?」
周囲を取り囲まれた勇者は苦笑いを浮かべ、群がる皆を制した。
「気持ち悪ぅ…」
アタシは本心でそう感じた。
ここでまた補足。絶える事の無い魔王の進撃に、それに立ち向かう勇者は世界各地にごまんと居るのがこの世界。
一昔前、先代魔王を滅ぼした初代勇者は、英雄色を好む。と、その名の通りの人物で、そこかしこにご当地妻なるものをお作りになられて、それはそれは精力的に、ご子孫を各地に残されたそうです。
やがてはご子孫も大きくなり、それがまた先代の血を引きご子孫を増やす…
と、噂じゃ勇者の血筋を引くものが、人口の500人に1人くらいの割合で存在するのでは?と囁かれていて、決して勇者様の存在が珍しいわけではなかった。補足終わりっ。
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