第30話 突然の別れ①
悲しいお話は嫌いなので、今日は2話投稿します(*´・ω・)
――――――――――――――――――――
小学校3年生になってすぐだったな……
『ガラガラッ!』勢い良くドアが開いた。
「はぁはぁ……桜井! 今から先生と一緒に来るんだ!」
「先生どうしたの?」
「いいから早く来なさい!」
「ひろとくん……何かあったのかな?」
「分かんない……先生が来いって言ってるし、はるかちゃん行ってくるね」
「うん。早く帰ってきてね」
僕は急いだ様子の先生と一緒に車に乗った。「先生どこに行くの?」と聞いても、「もうすぐ着くから」と何も答えてくれなかった。それからも車は走ってた。しばらくしたら車が止まって先生が「ここで降りるから。先生も一緒にいるからな」と言っていた。良く分からなかったけど、降りてみたら病院の前だった。
僕は先生に肩を抱かれて病院の中に入ったんだ。病院に入って奥に連れられて行くと、お母さんの声が聞こえた。
「うぁぁぁー! 蓮司さん! 蓮司さん!」
お母さんがお父さんの名前を呼んで泣いていた。お母さんは怪我をしたみたいで、包帯を巻いていた。僕は痛くて泣いてると思ったんだ。
「お母さん。怪我が痛いの?」
「寛人……寛人……お父…さん……お父さん……蓮司さんが……うぁぁぁ……」
「お母さん。分からないよ。お父さんがどうしたの? お父さんはどこに居るの? 今日一緒だったんだよね?」
「寛人……ひろ……ご…め……ごめ…ん…ね」
お医者さんと学校の先生が話をしていた。
話が終わったら僕に話かけてきた。
「桜井。先生が一緒にいるからな」
やっぱり何があったのか分からなかった。だけど、嫌な事があったのは分かったんだ。
「真理! 無事か! 蓮司くんはっ?」
「お父さん……蓮司……さんは……」
お爺ちゃんが来てお母さんと話していた。
「寛人。お爺ちゃんと一緒においで」
「どこに行くの?」
「お父さんの所だよ」
お父さんは寝ていた。「お父さん起きて」って呼んでも起きてくれなかったんだ。何度も……何度も起こしても起きてくれなかったんだ……
僕はお医者さんと、お爺ちゃんに話を聞いてお父さんが居なくなった事が分かった。
その後はたくさん泣いた。泣いて、その後はあまり覚えてないんだ。
ただ、お母さんが何日もお父さんの名前を呼んでたのは覚えてる。
数日後、学校の先生と話していたお爺ちゃんが来て、そのまま引っ越す事になった……
「はるかちゃん……僕……遠くにお引っ越しする事になったんだ…」
「……え?」
「ゴメンネ……はるかちゃん……」
「ひろとくん……嫌だよぉぉ……うわぁぁん…いやだよ……行かないでよぉぉ……」
はるかちゃんに手紙を渡して僕は引っ越した。最後に見た、はるかちゃんの顔は泣き顔だったんだ……
この数日間の出来事は、7年が過ぎた今でも忘れる事ができない……
荷物は別の日に、業者が運ぶ事になって、俺と母さんは直ぐに引っ越した。母さんは、父さんや昔の事を思い出すと、取り乱す事が多かった。
爺ちゃんから聞いた話だと、母さんが車を運転して事故になったらしい。そして父さんは助からなかった。その為か、母さんは自分を責め続けていた。
それを聞いてるから俺は、父さんや遥香ちゃんの名前を口にする事が出来なかった。
遥香ちゃんの両親には、爺ちゃんが事情を話していたらしい。
引っ越して一年後に遥香ちゃんの母親から連絡があったらしいが、遥香ちゃんに会いたかった俺は、爺ちゃんに聞いてみたが、母さんは何も覚えていなかったと聞いている。
事故で手を怪我した母さんは、バイオリンを弾けなくなっていた。治療の為、当時から有名だった透さんが働いている東光大学附属病院の整形外科に通ったんだ。
本当に透さんには、俺も母さんも公私共に世話になった。
透さんがいなかったら……母さんは今でもあの時と変わっていないかもしれない。
その透さんと母さんが再婚する事になった時……小学校6年になってすぐの頃か……透さんと一緒に住む為に、爺ちゃんの家から今の家に引っ越した。爺ちゃん達も「近くに住む」と近所に引っ越してきた。
小学校3年生で転校し、爺ちゃんの家に来た俺は、爺ちゃんが総監督をしていた野球チームに入れられたんだっけ……今は本当に感謝しかない。
それでも何年経っても忘れる事など出来ない。いや……忘れる訳にはいかない。
遥香ちゃんに会わなければ前に進めない。
今でもずっと、時間は止まったままだ。
相澤さんと会うと遥香ちゃんを思い出してしまう。どうしても比べてしまう。
遥香ちゃん……今は……どうしてる?
遥香ちゃん……君に会いたい……
俺は君に会いに行くよ……
「透さん、どうかな? 聞いても良いと思う?」
「うーん……今まで聞いて来なかった寛人くんが知りたいって言ったのなら、真理さんも答えてくれると思うよ。僕も一緒に話を聞こうか?」
「そうだね。一緒に居て貰った方が良いかも。お願いできるかな」
俺と透さんは母さんの帰宅を待った。
――――――――――――――――――――
書いてる時に後悔しました(*´・ω・)
なんで悲しい展開にしてしまったんだろ…
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます