第13話 間違っている者

犬坂「予想されてるとは思いますが、斬っても行動があまり変わらない者もいるでしょう、残心を忘れずに」

里見「宇宙人スーツ?エイリアンだもんね、り」

犬坂「、、質問しても良いですか?」

里見「何?」

犬坂「人質を取られたらどうします?」

里見『中東じゃ通信でアドバイスはもらえない、か』

里見「、、撤退する?」

犬坂「ダメです、それ以降宇宙人が来たら人質戦法を取れば良い事になり、それが広まれば戦いにくくなります」

里見「見捨てろと?」

犬坂「出来ますか?」

里見「乙姫が居ればなんとかならない?」

犬坂「なんとかなりそうなら良いですが、撤退はダメです、必ずその場でケリをつけて下さい」

里見「多少の犠牲はやむを得ない?」

犬坂「トロッコ問題です、行動しても、しなくても、今もなおテロ犠牲者は出ています」

里見「覚悟しとく」

言葉とは裏腹に一抹の不安がみてとれる。

犬坂「イスラム教は間違ってますか?」

里見「え?」

犬坂「イスラム教の教えの中で間違っている所は有りますか?」

里見「私にとっては間違いだらけね」

犬坂「かつて天動説と言うのが有りました、しかし今は誰も信じていません」

里見「そうね」

犬坂「間違っていると思うなら自信を持って否定してください、神は間違わないかもしれませんが、人は間違え得るのです、我々は神を攻撃しているのではない、悪人を攻撃しているんです、、ですよね?」

里見「そうね」

◼️

犬神は姫路城に居る乙姫に会いに来ていた。

犬神「お久しぶりです」

乙姫『あら、どうしたの?』

犬神「中東のテロリストを令和の剣で斬って廻る事になりました、協力してもらえませんか?」

乙姫『お節介?』

犬神「妖怪はもういません、しかしこのまま引退するにはまだまだ物騒な世の中だと思います」

乙姫『自ら戦いの中に飛び込んでいくなんて柄じゃないんだけど』

犬神「令和の剣が引退させてくれないのです」

乙姫『迷惑な剣ね』

犬神「令和から時代が変わったんです、悪人は改心させる事が出来る」

乙姫『それって、改心って言うのかしら?』

犬神「適切な罰を与える事が出来ます、テロリストを放置すれば罪の無い犠牲者が出ます」

乙姫『キリがないんじゃない?悪人なんて幾らでも産まれる』


犬神『不味いな、、しかし乙姫の協力は必須なのだ!』


犬神「イスラム教ってどんな宗教か知ってる?」

乙姫『大和撫子だっつの、知らないわよ』

犬神「女性差別がひどい宗教です、おしゃれできません、勉強できません、改宗できません」

乙姫『許せないわ』

犬神「すでに世界人口の二割以上がイスラム教です、他の宗教は敵とみなされます、今後も増える一方です」

乙姫『ヤバいじゃん』

犬神「一種の妖怪です、ラスボスクラスの、協力してもらえますね?」

乙姫『やらいでか』

◼️

地下大阪城。

犬神と乙姫が帰ってきた。

犬坂「意外ですね、乙姫さんが人間相手なのに協力してくれるなんて」

乙姫『カルト教団を潰すんでしょう?教祖が妖怪の』

間違っている、が誰も突っ込まなかった。


☆乙姫:第二話 登場人物紹介より

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