第10話 任侠良心会

犬坂『お疲れ様でした、対抗勢力の組長も出来るだけ速やかに斬って下さい』

里見「次の組事務所の方がデカかったわね」

犬神「うん」

里見「次はBプランで」

犬神「わかった、さっきは久しぶりだから『珠転送』使うの忘れてたよ、乙姫にも来てもらう?」

里見「まだ要らないわ、対テロの時に頼んでみましょ」

◼️

珠転送とは、犬士の珠のある場所に瞬間移動する術である。里見は真の珠を所持、犬坂は智の珠を、そして犬神の義の珠でもある乙姫(竜の落とし子)は現在地下姫路城で亀の亀姫と暮らしている。

つまり里見と犬坂の居る所と地下姫路城にはいつでも瞬間移動できる。

◼️

山田A太郎と警察はまだ動いていないようだ。

里見達は次の暴力団事務所があるミナミに来た。

ミナミの組事務所にはまず犬神が殴り込んだ。

問答無用で玄関を蹴破る。

有名な妖怪退治のスーパーヒーローが、である。

最近の組事務所に武器は置いていないのか、皆素手のまま威嚇してくる。

暴対法が効いているのか。

組員「なんだお前!」

犬神は答えない。

お互い睨み合う内に組員が一階に集まって来た。

警察を呼ぶか話している。器物破損、不法侵入。

一方、里見はビル街の屋上を跳び移って組事務所の屋上扉から侵入する。

鍵は令和の剣のビームで焼き斬った。

犬神の派手な陽動が効いているのか、誰とも会わずに組長室に突入出来た。

内線電話中の組長。

組長「こっちにもいるぞ!」

そこまで言った所で里見に斬られた。

残る組員は犬神と里見に挟み撃ちされる形になった。

ヤクザは皆逃げようとしないだけありがたい。

全員良い子になった。

◼️

犬坂『これで大阪で暴力団抗争が起きることは無いでしょう、お疲れ様でした』

里見「残りの名簿の犯罪者はしっかり観察しながらで良いわね」

犬坂『はい、お任せします、良心会を使って探しても良いです』

里見「じゃあリストは良心会にメールしといてくれる?」

犬坂『もうしてあります』

里見は組長に真の珠を渡し、悪人を見つけたら電話で呼ぶように伝えた。

後は名簿リストの人物を良心会が探してくれる。元は同じ悪人であるし単独犯ばかり、なので簡単に斬る事が出来た。

これで大阪の治安は一段と良くなるだろう。

◼️

数日後、地下大阪城。

犬坂「はぁ、予測より金使いが荒い」

犬神「良心会?」

犬坂「はい、それでも収支はプラスなんですけどね」

犬神「座敷わらしはすごい神様だね」

犬坂「座敷わらしは科学です」

犬神「は?」

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