第281話 蝶と蛾

 蝶を嫌いな人はいない。

 だけど、蛾を嫌いな人はたくさんいるだろう。


 蝶は綺麗なお花畑にいるイメージがえがかれ、蛾はトイレなどの汚い場所にいるイメージが描かれる……

 蝶を標本にする人も多いだろうが、蛾を標本にするのは、専門家以外にはいないだろう。


 ☆


 けど、蛾の中にも、蝶に匹敵する綺麗な蛾も存在する。

 だが、蛾と分類されるため、強制的に害虫扱いされる!?


 蛾は確かに不衛生なイメージや、幼虫がグロテスクなどの部分も有るが、それは蝶だって変わらない。

 アゲハチョウの幼虫は、柑橘類の葉を食い荒らすし、幼虫もグロテスクだ!

 だけど、蝶蝶になると癒やしの生き物に変わる。


 蛾が嫌われる原因は他にも有り、蛾は幼虫時代に毒を持っている種類も多い。

 俗に言う、毛虫と呼ばれる物で有る。


 それは、小鳥などに食べられないためで有るが、これも蛾のイメージを悪くさせているのだろう。

 毛虫に刺されると、痛痒いだけで済めば良いが、アナフィラキシーショックも怖い……


 唯一、蛾の仲間で重宝されているのは、かいこ位で有ろう。

 蚕の繭は、絹糸に成るからだ。


 だが、人間はその絹糸を取るために、蚕の繭を生きたまま茹でるので、言葉を失うしかない……///


 ☆


 蝶と蛾……

 似たような生き物で有るが、人間の受け止め方は全く違う。


 蝶は綺麗。

 蛾は汚い……


 けど、それは人間が勝手に分類しているだけで有る。

 蝶や蛾も、良い迷惑かも知れない?


 人間は本当に、何でも分類したり、ランク付けするのが好きで有る。

 言うもでもなく、地球上での最高生物から来る、驕りだからだろう……

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