【注6】我が剣は我が命

 ファンタジー、中でもヒロイックファンタジーというジャンルの中には、さらに「剣と魔法」という小ジャンルが存在します。


 「剣」、大好きですよね、皆さん。

 私も好きです。

 かっこいいですよね、剣。


 ファンタジー、とりわけヒロイックファンタジーの中では、「戦い」に強く比重が置かれます。主人公の英雄性を物語るに、戦いにおいての「強さ」は、最も説得力があり、なおかつ分かりやすい要素なのでしょう。


 実際、英雄が並み居る敵を己の戦闘力で打ち破る様は、読者の心を躍らせ、爽快感を与えます。コナンシリーズ、グインサーガ、エターナルチャンピオンシリーズやファファード&グレイ・マウザーなど、「戦い」が主題の一つとなっているヒロイック・ファンタジー作品は枚挙にいとまがありません。

 そして、多くの場合、主人公である英雄は「剣」をたのみに戦いに臨みます。「斧」や「槍」ではなく、剣を使用している例が圧倒的に多いです。


 戦いの武器としては槍や鉾、あるいは長刀なぎなたなどの方が剣よりも優れた面があることも皆さんはご存じでしょう。しかし、ファンタジーのみならず史実においても個人の戦いとしては剣を好んで使う人物は多かったのです。


 その辺の理由は置いておいて(後で調べます)、剣には並々ならぬ魅力が存在するところは多くの人たちが同意を示してくれると考えております。


 手っ取り早く剣の魅力を知るには、視覚的な情報を手に入れるのもいいでしょう。そう、映画ですね。

 『ウィロー』という映画をご存じでしょうか。小人族(オリジナルです!)の魔法使いである主人公ウィローが世界を悪い魔女から救う指輪物語リスペクトの冒険ファンタジー映画なんですが、この映画に出てくる人間の剣士、マッドマーティガン(ヴァル・キルマー)が実にいい剣技を見せてくれるので、見られる環境にある方は是非ご覧になってください。

 殺陣そのものは昔の映画ということもあり、派手さには欠けるのですが、剣の扱いが実にこなれている感じがして、見ていてうれしくなります。

 そのさらに少し前の映画『コナン・ザ・バーバリアン』やその続編などでもアーノルド・シュワルツェネッガー演じるコナンの見事な剣さばきを目にすることができます。

 ほかにも、『ブレイブハート』『17ウォリアーズ』『ロード・オブ・ザ・リング』『ゲーム・オブ・スローンズ(ドラマ)』などの映画にも剣による殺陣が出てきますのでよかったらチェックしてみてください。

 ただ個人的には、きれいすぎる剣技、殺陣は逆にその嘘っぽさが強調されてしまい、興をそいでしまうような気がします。

 少し前までは新作映画が製作されるたびに殺陣のクオリティが上がっていって、感心すると同時にちょっと冷めてしまうこともあったのですが、最近の映像作品はうまく殺陣のクオリティとリアリティのバランスをとっているように感じられます。


 少しずれた話になりますが、個人的に少々気になっていることがありまして、それは剣などの武器を含む、固有名詞をカタカナで表現する作品が多いということです。これは間違いなくゲーム文化の影響だと思われますが、例えば長剣は「ロングソード」などと作品内で呼称されることが多くあります。

 長剣は単に「長い剣」という意味の単語です。しかし、これが「ロングソード」という名称になって扱われると、何か特別感と言いますか異国感のある、大げさに言えば魔力でもこもっていそうな響きを持つ、改まった品物のような印象を与えます。

 もちろん英語圏の作品では「Longsword」と書かれているのでしょう。しかし、日本語では長剣に過ぎないのです。


 ここで一つ意識してほしいのは、物語の登場人物たちは英語でも日本語でもない、現地の言葉を話し、使用しているということです。物語の作家諸氏たちには、作品の世界観を守るために意識して言葉を大事に使用してほしいと願っています。


 この話題は別の注釈で詳しく語らせていただくことになると思います。

 

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※この項目は加筆修正する可能性があります。

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