妖精ゴブリンに関する覚え書き

 妖精も様々。


 エルフ、ドワーフ、ノーム、ゴブリン、ホブゴブリン、バグベア、コボルト、ボガート、ボグル、ボギーマン、バッコーン、ブラウニー、スプリガン、トロールなどなど上げるとキリが無い。


 自力で調べられる範囲で、大雑把に、各種伝承での扱いと、TRPGでの扱いを、記載してみる。

 エルフ、ドワーフ、ノームは今回の調査の対象外。


 主にゴブリン系統の妖精と類似性のある奴ら。


★大雑把なタイプ分け:

1. 家などに住み着く系

2. 鉱山に出る系

3. 子どもを躾ける為の怖い系

4. 地下などに住む邪悪な奴ら系

5. それ以外


★ゴブリン/Goblin

 イギリスの伝承に限らない。この手の妖精の典型。

 過去の図画などだと、毛むくじゃらだったり、ノームやドワーフっぽかったり様々。

 邪悪な悪役というイメージは、トールキン教授以前から文学の中で見られるらしい。

 正義のゴブリンという今では考えられないケースもあるらしい。

 TRPGでは、概ね邪悪な種族という扱いがほとんどだと思う。


★ホブゴブリン/Hobgoblin

 主にブリテン島各地の伝承。ホブには妖精の意味があるらしい。言い換えると、妖精ゴブリン。

 ボガート、ボグル、ボギーマン、バッコーンなどの総称と考える事も可能だが、それぞれの名前に、各地方の伝承がある。

 TRPGでは、概ね邪悪なタイプのゴブリンの大型種という扱いがほとんど。

 中には、伝承の様に魔法を用いる設定の者もいる。


★バグベア/Bugbear

 概ね、毛むくじゃらのゴブリンというイメージ。

 子どもを躾ける為の怖い系。

 TRPGだと、腕力が強く、隠密能力に長けた序盤の強敵みたいな扱いが多いと思う。


★コボルト/Kobold

 英語風読みだとコボルド。

 コバルトの語源なのは、多分、有名な話。

 ドイツのゴブリンと考えて、だいたい合ってるはず。

 伝承だと、家に住み着く系と鉱山に出る系に大別されるらしい。

 TRPGでは、姿のバリエーションがとても多い。

 B系統では、犬型の小型ヒューマノイド。

 A系統第1版では、日本の鬼っぽい一対の角、ゴブリンの様なロバ耳風の耳、犬の頭、トカゲの様な鱗、ネズミの様な尻尾を持った小型ヒューマノイド。第2版では、伝承を意識してか、大きな目のゴブリンっぽい容姿。第3版以降ではトカゲの小型ヒューマノイド。ぶれすぎ。変わりすぎ。

 とある自前設定では、石鹸の原料になるとかならないとか。


★ボガート/Boggart/Bogart

 別名、ボグル、ボガンなど。

 伝承では、家に住み着く系の妖精。

 あるいはオーガの一種。

 働き者のブラウニーに比べて、悪戯好きとされる事が多い。

 A系統にも出るが、SRDには未記載。


★ボグル/Boggle/Bogle/Bogill

 ボガートの別名の一つ。ノーザンブリア地方やスコットランドの伝承。

 家に住み着く系。

 A系統にも出るが、SRDには未記載。

 どう見ても指輪物語のゴクリみたいな容姿の場合とどう見てもグレイ型宇宙人にしか見えない容姿の場合とがある。


★ボギー、ボギーマン/Bogie/Bogey/Boogie/Boogeyなど

 子どもを躾ける為の怖い系。

 A系統では、ボギーがボガート及びボグルの別名で扱われる事があるらしい(ファンダム調べ)そうだっけ?


★バッコーン/Backawn/Bauchan/Bogan

 スコットランドの家に住み着く系妖精。

 A系統では、天狗鼻のブラウニーの親戚として出てくる。


★バーゲスト/Barghest

 黒犬の妖精だが、ノーザンブリア地方などでは家に出てくる系の妖精としての伝承があるらしい。

 A系統では黒犬の方で出てくる。SRD記載。


★ノッカー/Knocker

 コーンウォール地方の鉱山に出る系の妖精。伝承では善玉。

 A系統には出てこないはず。しかし、よく似た名前のノーカー(Norker)と言うのが出てくる。SRD未記載。ノーカーは一般的な人名でもある。


★ブラーグ/Brag/Braag

 人を化かす悪戯好き系。

 ノーザンブリア地方など。

 日本の民話の狐・狸・狢と似たやり口。


★キルムーリス/Kilmoulis

 口がなく鼻が長い、家に住み着く系。

 どちらかと言うとブラウニー。

 イングランドとスコットランドの境界地域。

 A系統では、Killmoulisの綴りで登場。

 こいつ伝承由来だったんですね!見落としてた。


★グリンディロー/Grindylow/Grundylow

 ヨークシャー、ランカシャーの伝承。

 子どもを躾ける為の怖い系。

 池、沼など水辺で子どもを引きずり込む。悪役。

 やや日本の河童に似る。


★シェリーコート/Shellycoat

 スコットランド、北イングランドの伝承。

 子どもを躾ける為の怖い系。

 悪意なく人を迷わしてしまう、らしい。

 貝殻(や水草)をコートの様にまとう。

 ゴブリンっぽかったり、ハグっぽかったり、女子っぽかったり様々。


★ボダッハ/ボダーク/Bodach/Botach

 スコットランド、アイルランド。老人を意味する。

 子どもを躾ける為の怖い系。

 アイルランドでは、ハグ/Hagの一種カリアッハベーラと対になると考えられる事がある、らしい。

 A系統では、Bodakの綴りで登場。発音は英語風でボダークみたいな。SRD記載。


★グレムリン/Gremlin

 飛行機など機械とかの調子を狂わす系。

 伝承としては、とても新しい。

 映画で有名かもしれない。


★リトル・グリーン・マン

 米国の伝承。とても新しい。

 宇宙人設定だが、やってる事は、ほぼほぼゴブリン。


★グレイ・エイリアン

 米国の伝承。おそらく最も新しい。

 いい歳した大人が喜ぶ陰謀論系。


追記(2021/07/19)

ブラーグを追記。

アルファベットの綴りを大雑把に追記。

最も多い→とても多い、に変更。

追記(2021/07/19)

リトル・グリーン・マンとグレイ・エイリアンとを追記。

コボルトの説明を少し詳細に書き足し。

追記(2021/07/21)

キルムーリスを追記。

追記(2021/07/22)

グリンディローとシェリーコートとを追記。

追記(2021/07/24)

ボダッハを追記。

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