第2話 ダレモイナイ 第2夜
本当に誰もいないのだろうか?
そろりと外に出て街中(マチナカ)を歩く。
月明かりと星の瞬きだけが支配するこの街は全く知らない街のようだ。
ネオンなどの人工的な灯りは全くない。
時折、吹き抜ける風だけが音を支配している。
ブラブラと目的もなく歩き続ける。
かなり歩いたとは思うが、誰にも会わなかった。
ふと、思いつき、いつもの馴染みの場所を目指す。
お昼にいつもお世話になっているパン屋。
月に1度だけお世話になる理髪店。
スーツを仕立てたことのある洋服屋。
……知っている店は全てある。あるのだが妙な違和感がある。まるで舞台のセットのようにただおかれただけのような。そんな不思議な気味の悪い、違和感。
……犬や猫にさえ1度もであわなかった。
アリにだって会ってない。
世界には最初から自分しかいなかったかのように生き物の気配が全くしていない。
「誰か!誰かっ!いませんか!」
叫んでも叫んでも答えは返らず。
静かに風だけが吹いていた。
そこで目が覚めた。
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