第46話 ギャップがヤヴァイ

氷の槍が俺目掛けて飛んでくる。

未だボコられてもいつもの様にスキルを獲得したアナウンスは聞こえてこない。


体力もそろそろ限界に等しい。

窮鼠猫を噛むと言うが相手は白虎だ。

そんな生易しいものではない。しかも俺に反撃の手はない。ただ追い詰められるだけだ。


そんな事を考えていると左肩に氷の槍が1本貫通した。


『ガッ.....痛てぇな....』


『主様、気を抜いたら死にますよ?なのでしっかり避けてください』


ヤバいなぁ、出血が多すぎて足がぐらつく。


俺は足いっぱいに力を込めて踏ん張る。


『まだ.....行ける!!

来いやぁあああああ!こんちくしょおおお!』


俺は半ばヤケクソで叫ぶ。気合いと根性が大事!そう俺は嫌いな体育教師から習った。


『その意気です!』


そう言いユキは笑った


『コレで最後です!雪銀の怒りブリザード!!』


そう唱えると銀色の吹雪がコチラに来ている


──スキル《思考加速》の獲得まで残り10秒となりました───


何でいつもと違うんだよ!

死ぬ!死にます!早くして!頼む!


──嫌です。........クス────


は?!拒否られたんだけど??

つか意識あったんか?!しかも最後の方鼻で笑われたんだけど???


俺は今出せる最速力で走る。


それでも吹雪との距離は開かない。

寧ろ近付いてきている。


あ、俺死ぬんか......


───スキル《思考加速》を入手しました──


───スキル《根性》を入手しました──


───スキル《絶対回避》を入手しました──


その脳内アナウンスと共に俺は吹雪を直で当たり吹き飛び、意識を落とした。





──それから二時間後─────


俺は意識を覚醒させる。とても目覚めがいい。


ん?なんか頭の方が暖かい。それでいてとても

落ち着く。これはもしや...?!


俺は目を開ける。そこに見えた景色は木の葉っぱが生い茂る大樹と獣耳っ娘美少女の顔だった


『主様、おはようございます。』


そう言ってユキはとても可愛いらしい笑みを浮かべる。


やべぇ、めっちゃ癒される。


『ユキ、これって....まさか』


『はい、膝枕です!∕∕∕』


ユキが顔を赤くしながら呟く。


それにつられて俺も何かやらしい気持ちになる


『あっ、すまんなずっとこの姿勢だろ?

起きるよ!!』


俺はそう言い半ば強引に身体を起こす。

不思議と体の痛みはなかった。

よく見ると破れた服から見える肌には傷跡1つも見当たらなかった。


『あっ........』


ユキが何か言いかける。


『どうした?ユキ』


『いえ、大した事ではないんですけど...少し

寂しいなぁと思って∕∕∕』


ユキが照れながら言ってくる。


さっきまで俺をボコボコにしていた人とは思えない可愛いさである。これがギャップ萌えか!

ヤバい鼻血出そう。

尊死しそうで怖いんですけど?!


『あっ!ケイさん起きられたんですね!』


そう言いこっちへユリィは駆け寄ってくる。その後ろにスイがいる事から何か一緒にする事でもあったんだろう。


『まあな、今起きたとこなんだよ

それでユリィ、俺に怪我が1つも無いのって

もしかしてユリィの回復魔法?』


『はい!...まあそれでも私1人ではどうにもならない傷でしたけど...スイさんが手伝ってくれたんです!』


『僕の水とユリちゃんの光の属性は相性が良いしね。水属性にも回復魔法はあるから2人で頑張ったんだよ!』


いつの間にかスイとユリィは仲良くなっていたらしい。ユリィの事をユリちゃんと呼んでいるのがその証だと思う。



『それで?2人は何をしていたんだ?』


『僕が説明するよ、ユリちゃんが主の為に力になれるように魔法を色々教えて欲しいって言われたから光属性の魔法を少し教えてたんだ!』


ふーん、俺の為ね。何それ可愛いかよ!



<あとがき>

皆さんお疲れ様です。

最近焼きそばの画像をTwitterに投稿し、マヨラーが発覚した凪津です。実際は違うんですよ?ただ周りが言ってるだけなんです!

えぇ、今回はラブコメ?を多めに書いてみたつもりです。こういった女の子達との会話が好きな方もいると思うのでこういうのも良い!!

と思う方々はコメントで送って貰えれば嬉しいです。作品のフォロー、応援♡や⭐⭐⭐を押してくれるとありがたいです。

それでは失礼しますっ‪.ᐟ‪.ᐟ








  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る