第38話 人殺し
これで全員殺した。
生まれて初めての人殺しだ。
多分この先俺は人殺しをしないといけない状況が必ずあるはずだ。
『クレハ、俺に殺した奴らから気力を回復してくれ......』
すると鎌が淡く光だし、死体と飛び散った血が光の粒になり俺に染み渡るように吸収される。
周りを見るとそこは本当に殺人現場とは思えない程綺麗になっていた。
『なぁクレハ、何でコイツら粒子になったんだよ?』
───あぁ、それは俺が死神だからだよ。
死神シリーズは幾つもあったがアレは贋作だったり、力の弱い死神の武器なんだよ。
だから気力を回復できないから使えない。
俺からしたら死神モドキみたいなもんだよその力の弱い死神てのわな!俺に関しては、混じり気の無い純粋の死神だ。そして死神の王的な存在の魂だからな!死を司る神で死神。
無駄に人殺しをするのが死神じゃねぇんだよ。
そりゃ悪い事したら命を刈り取るけどな──
『そうか、まぁ人を殺しておいて言う事じゃないけど殺して良かったのか?』
──あぁ、ソイツらは色々と悪さしてたみたいだからな問題はないと思うぞ──
ありがとうとクレハに伝え、アヤネさんの方に意識を向ける。
『あ、アヤネさん大丈夫だった?』
アヤネさんは俺に声をかけられ少しビクッとする。
目の前で人を殺した奴から喋り掛けられてるんだ、そりゃあ怖がっても仕方がない。
寧ろ逃げないだけありがたいよね
『ご、ごめんねケイくん。少し怖くて腰が抜けちゃった。』
アヤネさんはハハっと作り笑いをする。
多分俺に気を使ってくれてるんだろう。
それと逃げないんじゃなくて、腰が抜けて逃げれなかったらしいです。はい。
『ユリィ、回復魔法をアヤネさんにかけてくれない?お願い。』
『は、はいケイさん、分かりました!』
ユリィも少し動揺しているようだ。
俺はユキとスイを見ると何も無かったようにいつも通りの様子だ。
それを見ると俺は安心したのだろう。
体から力が抜ける。
流石に全員に距離を置かれるのは辛い。
昔はぼっち上等!とか思ってたけど、今の環境は悪くない。だから失ってしまう事に怯えているんだ俺は。
『ありがと』
俺は誰にも聞かれないように呟く。
『『?. . . こちらこそ!!』』
『聞こえた?』
『はい、私達は耳が良いので!』
めっちゃ恥ずい。
でもそれ以上に嬉しかった。
俺はコイツらを大切にしてやろうと思う。
俺らを邪魔する奴は絶対に潰してやる。
死神と呼ばれたんだ。それならしっかりお前ら言う死神になってやるよ。
『ケイくん!』
『アヤネさん。もう大丈夫?』
『えぇ、少し腰を抜かしただけだから。それとありがとね。あとごめんねケイくん』
え?
『私はやっぱり一緒に行けないや......』
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