第32話 危機回避と新しい仲間

あ、暑い。


なぜだ?多分季節的に初夏だと思うが朝から猛暑という訳でもないはず。


とりあえず起きないと理由が分からない。


だが何かに掴まれているようで起き上がれない


目を覚ますとそこには人化したユキとスイが俺を挟む形で全裸で寝ていた。


『.......ん』


ユキが小さな吐息をこぼす。


その声がシチュエーション的にエッチな気分になってしまう。


『あるじ〜?どうしたの〜?』


スイが起きてしまった。まだ寝起きのようで意識が覚醒していないようだ


『いや何でもない、まだ寝てていいからな』


俺がそういうとスイが『そうする』と言いそのまま眠りについた。


さて、まずはここを抜け出すのが1番だな


俺はタコのようにスルスルと器用に抜け出す事は出来なかった. . .クソっ!


身体強化で行けるか?


とりあえずそっと2人の腕を移動させスペースを確保する。


そこからは起こさないように慎重に動く。


まるで悪い事をしている気になってしまう。


『...っし!!』


俺は抜け出す事に成功した。


ミッションコンプリート!


さてと、少し散歩でもしてくるか


俺は黒い剣を持ち部屋を静かに出て外に出る。


外に出る前に朝食の準備をしていた女将に散歩に行くとだけ伝え出て行った。


『ふぅーやっぱり朝は静かでいいなー!』


そんな独り言を呟いていると頭に直接声が聞こえてくる。


──マスター、やっと話せるな──


『そうだな、つかお前ってどういう存在?

俺が作ったはずなのに自我があるっておかしくね?』


──俺は俗に言う死神かな、正確に言えば

死神の魂の入った剣だな──


『それってヤバくね?魔剣とか邪剣の類いじゃないの?危なくね?』


──それなら問題ないぞ、俺には呪いとかは無いからな、ただ性能が特殊なだけさ──


それを聞いて安心出来るやつはいねぇよ


───だろうな!──


『人の心を勝手に読むな!』


──それはスマンな、勝手に流れて来るもんで

つい反応してしまった──


『なぁーお前って名とかあるん?』


──一応あるぞ、ジ・クレハードが肉体を持っていた時の名だよ──


『んじゃクレハでいいよな?よろしくクレハ』


──よろしくな、マスター!せいぜい死なないように頑張れよ──


『一言多いわ!死なねぇよ俺は』


──その意気だ、俺も早く死なれたら困るしな

頑張って俺に気力をくれよ?──


『俺の気力は当分やらねぇよ!』


そこから30分程歩き宿へと戻り、ちょうど起きてきた3人と一緒に女将が作った料理を食べ、この後はギルドへ向かおうという話になった。

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