第5話 夢を見る

俺は一人何も無い世界に立っていた。

アリシアのいる世界とは少し違うようだ。


すると俺の所に数え切れない大量の矢が降ってくる。俺は身を守る為に体を屈める。

しかし時間が経っても矢が刺さった痛みはしない。


体を起こすと周りには俺たちのいる王国に似た

王都が火の海になっている。


ドォォォォォォ━━ォォォォォォン!!!


俺の下の方から爆発音がする。


爆発した方を見ると住宅街が跡形も無く吹き飛んでいた。


これは夢?なのか?


俺はこんな事を体験したことはない。


ガァルルルッ!! ワオォォォン!!


下から2つの咆哮が聞こえる。


咆哮のする方を見るとそこには体長3m程の

狼と虎がいた。


よく見ると、狼さんと虎さんによく似ている。


俺の後ろから狼と虎目掛けて魔法が飛んでくる


その魔法は2匹に直撃し、2匹は重症を負う


しかし血だらけの2匹は立ち上がり吠える


『「お前らだけは絶対に倒す!!」』


そう言っているように思った。


実際はただ雄叫びの様なものをあげているのだろう。しかし俺にはそう聞こえた。


だが無念にも2匹の決意はそこで途切れる。


2匹を囲うように魔法使いと思われる黒いローブを着た集団が詠唱を唱え始める。


『そこにいる2匹の獣に裁きを与えよ。

天の裁きを受けるに値する蛮行をし、国を揺るがす者共には死を与える!』


『「終末の鐘」』


そう魔法使い達が唱えるとそこに大きな鐘が出現し、鐘が鳴ると狼と虎は光の球となり空へ昇り俺の所を通りすぎ、儚く弾けた。


これは一体...


そこで夢は終わり、俺の意識が覚醒する。



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