第8話 千一夜の夢

 秋水は夢を見た。

 どうやら、自分は味噌汁の精になったようだ。

 その町のソールフードだという。

 客が来た。

「味噌汁と鮭おにぎり」

 いいセレクトだ。

 客は美味そうに味噌汁を飲んだ。

――ああ、俺の命はこれで全うされる


 次に目に入ったのは巨大な沼に入るバスや電車だ。

 中には満員のサラリーマンや学生たちが叫びもせず淡々と読書やスマフォをしている。

――ああ、ついていけなくてごめんなさい


 その時、秋水は意識を回復させた。

 そこは星ノ宮から遠く離れた病院の集中治療室であった。

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