第7話 モチ、初めて絵本を読む②

初めて嗅ぐ絵本の匂い。素敵な匂いだなぁ。

ボクは早速絵本や本とかのメイン、文字というものを読もうと思い、パッと気付いた。

どうやって読むの?

(モチ)「あの~、すみません、文字はどこですか?」

すると店員さんはニコッと微笑み、「めくってごらん」と教えてくれた。

(モチ)「あっ、分かりました、ありがとうございます!」

めくる?どうめくろう?


あっ思いついた!

ボクの体はモチモチしているから、もしかしたらページにくっついてそのままめくれるかもしれない。でも商品だから万が一汚れたらどうしよう?...ま、やってみよう。

ボクはペタッとページの上にうつ伏せで寝そべり、そのままグンッと体についたページを巻いた。(というか、体ごと引っ張った...?よく分かんないや。)

あとはボクはページから出てくればめくれたということになる、と思う。


よいしょ、っと


あっ、できた!めくれた!そう思う同時に文字が出てきたことにちょっと驚く。

(モチ)「店員さん!ボク、めくれましたよ!ほら!」とボクはぴょんぴょん跳ねた。(店員さん)「お、すごいね」

やった、店員さんに褒められた!とボクはまたぴょんぴょん飛び跳ねる。

このスタイルでめくって読んでいけばいいんだ。

そのあともボクは何事もなくめくって読むことができた。

物語は、今の時代に生きている男の子が急に昭和にタイムスリップしてしまって

昭和時代を冒険する、というお話。タイトルそのまんまだ。

面白かった。物語も面白かったけれど何より文字が面白かった。


本屋から出る時、店員さんが「この絵本、買って帰るかい?」と言った。

(モチ)「うーん.....持って帰るの大変そうなので、やめときます。また来ます、さようなら!」

(店員さん)「そうか。じゃあ、またね!」

本屋を出てボクはまたゆっくりよちよちと帰る。

今日も楽しかったな、よちよち。





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