第3話 モチ、カフェに行く②

2人組は店員さんとの会話によると、毎週 水・金の夜に来て晩ご飯を

食べて帰るそうだ。

なんだか楽しそうな会話をしてるな~と思いながら、マンゴースムージーを

よじ登りながらすすっていると、テーブルにボクが乗っかられるくらいのサンドウィッチが運ばれてきた。

(モチ) 「ありがとうございま~す」

真っ白な二つの食パンの間に、新鮮そうなトマトとレタス、あと少しクリーム色のマヨネーズみたいなソースが塗られている。

そういえばこのマンゴースムージーも濃いオレンジ色をしていて

味も本物のマンゴーみたいに甘い。飲み終わったらお水を頼もう。

でも今はこのサンドウィッチをどうやって食べるかが問題だ。う~ん。

あっ、登って食べよう。意外と難しい問題じゃなかったじゃん。


ヨジヨジ


ボクはそのサンドウィッチに登って座り、両手でむしって食べた。

もちろんこれはお行儀が悪いことは充分分かっている。

でもこれをしないと食べられないのだ。なんか他のお客さんに

申し訳なくなってきた。

サンドウィッチはジューシーで、噛むとトマトの果汁が口の中に

わーっと広がってくる。クリーム色のソースの正体はやっぱりマヨネーズだ。

野菜を挟んでいる食パンは、出来立てのようでモチモチしている。


マンゴースムージーを時々はさみながらサンドウィッチを黙々と食べていくと

あっという間に最後の一口になっていた。

ボクは両手で一欠けらを口に持っていき、パクっと食べると

今度はマンゴースムージーをよじ登って飲み干した。よく飲み干せたなと自分でも思う。

最後にお水も注文してまたそれもよじ登って飲み干した。


ボクは店員さんにありがとうございました!とお礼を言ってお店を出ると、もう午後になっていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る