【FGA:25】オレがやってやる!
ざわわっ。
先ほどの歓声とは打って変わり──困惑のどよめき声が会場を包む。
それもそのはず、
加えて──『
「オレがやってやる……!」
一つ、たった一つだけ、そんな会場に──困惑の感情とは程遠い強い声が響いた。
しん。
まるで鳩が豆鉄砲を喰らったのかの様な──コート出口横の席に"ふわりふわり"浮いている魂の様な浮遊体の発言に思わず目が
「ん〜〜〜〜っと、君、か?
わははっ。
今度は大きな笑いが会場を包む。「お前がどうやってバスケをやるんだ?」と嘲笑する様な声もあちらこちらから聞こえ、思わず亜蓮の隣にいたテレサは赤面し、ジェラミーは渋い顔を変えず、そして
さっきからころころ、ころころ態度変えてうざってぇな……何もできねぇクセに一丁前にヒトを笑ってんじゃねぇよ……!──亜蓮は「ぷっ」と一つ、周囲の観客へ向ける様にツバを地面に吐くと雷人に「やるぞ──アレ」と声をかけた。
2人は"すっ"とコートを仕切る柵を軽々と越え、"ずいっ"と『チャンピオンズ』のアンドロイド3人組の前へと出る。
ぐい。
まるで
「おいおい……お前が代わりにバスケやるのかぁ? 冗談は
「「
瞬間、眩い光が
デイはその唐突な発光と発言に怪訝そうな顔を一瞬見せると──特段別に何かが変わった様子もない2人を見て「なんだ? つまらんマジックでも披露するのか?」と再び彼らを煽ろうとしたが──"すっ"と
──
先ほど言い終わらず2人の言に遮られてしまった自らの言葉を思い出す。
「おもしれェ────…………!」
デイは"くいくい"と右手のガチャガチャした機械の手を上にあげ、人差し指を二、三回振るとMCに「こいつ、やるみたいだぜ?」と目線で合図をMC席へ送った。
こちらからはMC席は遠く見えないが、
「どうやらこの
わあああああっ。
相変わらずMCの一言で態度が変わる観衆が再び歓喜の声を上げる──が、
止まぬ歓声に現れぬ
見上げると──ディーノの肩を掴むジェラミーが居た。変わらぬ渋い、否、静かな怒りを孕ませた表情を変えないジェラミーが居た。肩を強く、強く掴む力に強い想いがこもっているジェラミーが、そこには立っていた。
「悪い……ここは俺にやらせてはもらえないか?」
静かにそう言ってくるジェラミーにディーノは「あ、あぁ……」と気圧された声を漏らすだけで──それ以上は特に無理して身体をおすような事はせず、静かにヴェロの隣に腰を下ろした。
反面。ジェラミーは"すっ"と立ち上がると「お父さん……その、大丈夫……なの?」と心配する
わあああああっ。
沸き立つ観衆の渦中、"ふわりふわり"と浮かぶ
そして亜蓮と同じようにアンドロイドたちに強い強い
「ふん。弱い方が悪いんだ、違うか?」とデイはその向けられた
ジェラミーは強い怒りの視線を向けると、それ以上は何も反論などはせず──一歩下り再び
──これで2人……
目の前の仇と、自身の心を煽る相手に"めらめら"と戦いの炎を燻らせる
事実。周りの観衆は
ジェラミーと亜蓮が名乗りを上げてから10分は経っただろうか──「流石にこれ以上待っても誰も来ないだろう」と判断を下したMCによって、今季の『ザ・ストリート・オブ・アルファルファ』の優勝者を観衆に告げる為に三度、マイクをハウリングさせた時────
「私が……私が、
と、今度は静かな声で名乗りを上げた者が居た。
SWISH!!!!!!!! 二葉 夏雨 @futaba_tsuyu20
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