【FGA:23】ラフプレー
いや、"
『ザ・ストリート・オブ・アルファルファ』の決勝戦。
『
そして、彼らの相手になった相手こそ──前々の大会においてブロック優勝したチーム『
前半。
この大会は前後半15分インターバル10分の計40分1試合で行われるのだが──その前半、観衆は、否、
何故なら。
アンドロイドチーム『チャンピオンズ』(随分と他チームに喧嘩を売るような名前だが)のバスケットは
側から見れば、
「ぐっ…………!」
『
わああああ。
エンジャミに対する罵声や、『チャンピオンズ』の
そんな中エンジャミは右足首を"ぐっ"と抑えると悔し涙を目の端に浮かべた。
何故、
「おい……エンジャミ……お前、大丈夫か?」
そんな彼を見かねたのか──同じ 『
「あぁ、大丈夫だ。問題、ない……」──もはや強がりにしか見えないような弱々しい言を吐くと、エンジャミは視線を下に移す。
視線に飛び込んでくるのは屈強な男であるジョーの──両足であるが、その節々には青痣が痛々しく浮かび、所々赤黒く変色し「今すぐプレーするのを辞めろ」と訴えるかのように少量の血を垂らしている。
彼も──
「これは……バスケット、なんかじゃないよ……」
亜蓮と同様、目の前の友人たちが痛めつけられていく様子に助けを求めるように──雷人の元へと駆けつけたテレサによって会場に戻された雷人はそう一言、嘆くように呟いた。
「わ、私……亜蓮さんも呼んできます……っ!」と言い、その場から逃げる様に駆け出して行った
「だけどな……これが、これこそが──
隣に並ぶジェラミーの強い気持ちが籠った声が聞こえてくる。
まさか、貴方も『これがバスケットだ』と言いたいのか──そう言ってやろうと憤り、ゆっくりと視線を横に移した雷人は──後悔した。
そういえば──雷人はそんなジェラミーを見て
────馬鹿か違えよジェリー。そいつは今日の試合の招待チケットだ。前々から
(あれだけ仲の良さそうな会話しといて……そんな仲の良い仲間が、友達が……目の前であれだけ痛めつけられて────良い訳ない。良い訳ないじゃないか……!)
雷人は"すっと"とジェラミーから目を逸らす。自分の恥ずかしい思い違いでそんな
そもそも自分は未だ部外者の域から出ないというのに──目先の物事だけでその人を判断してしまった事が何より、自分が
「よぉライト──わりぃ、待たせたな。今はどんな────!!」
聞き覚えのある声が、後はもう閉口するしか無く静かにその場に立ちすくんでいた雷人の後方からする。ふと振り返ると、雷人の前にテレサと亜蓮と──見知らぬ人外の2人が立っていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます