【FGA:11】スイッチ
──────忘れてたけど、転移出来るの1人だけだから。
"どんとこい"と仁王立ちで"どん"と構えていた亜蓮と、不安だが
しばし2人はその
雷人は「一体……一体、どういう事、なんですか?」と未だ抜けぬ動揺と共に真顔を保つネイスに聞くと──女神は「別にぃ〜? そのまんまの意味だけど?」と言うとまるで業務報告の様な淡々とした口調でその事実に捕捉した。
「普通に
「ならライトを転移させろ」
女神ネイスがそう言い終わる前に──亜蓮はそうハッキリと、なんの
まさか──
「ライト。気持ちは嬉しいがオレはオマエを優先するぞ」
相変わらず自分を曲げぬ亜蓮に「ど、どうして」と狼狽える雷人に彼は"にこり"と笑うと雷人の胸に"ぐっ"と拳を当て、さっきと同じようにただ真っ直ぐと雷人を見つめると──今度は母親が我が子に語りかけるような優しい声色でこう語った。
「あの
「あーはいはい! ちょっと待てクソガキども。私の前で勝手にお涙頂戴の友情アオハルストーリー繰り広げてんじゃねぇよ」
突如として女神ネイスの"待った"がかかる──ネイスは睨むような目つきで亜蓮を見ると「フツーは自分の
「じゃあこうしよーぜ。お前ら転移する
「まぁ初めての事じゃあねぇから──でも無様なもんだぜ?魂だけってのは」と「くくく」と嘲笑するかの様に笑うと"ほらどうぞ? 存分に話し合えよ?"と言っている様な表情をネイスは見せると両手を挙げ肩をすくめた。
(に、肉体だけ転移……? 選ばれなかった方は
雷人はその思慮深い性格に反して即座に──先ほどとは打って変わって──否、亜蓮がそうした様に素早く判断を下すと「亜蓮くん……もちろん
すると彼は"にかっ"とどこまでも広がる暗闇に対抗するかの様に爽やかに笑うと「オレの"
身長が182cm
あぁ、
雷人は懐かしく湧き出る過去の想い出に心を馳せていたが──
「その"聖杯トーナメント"っていう大会を優勝したら──ちゃんと
女神は「ナメんな
そんなネイスを見て確信したのか──雷人はすっと胸に手を当て気持ちを今一度落ち着かせると亜蓮の方に向き直り──
「亜蓮くん。僕が……僕がなんとしてでも……この身果てても──"聖杯トーナメント"で優勝して亜蓮くんを
「ばーか。そんな心配してねーよ。オマエが負ける事なんてねーからな! なんせ
2人は"ぎゅっ"とお互いの拳を握り合わすとまるで──
「はいはい私の前で汗くせぇアオハルごっこすんならさっさと飛ばすぞー」
女神ネイスは未だ拳を握り合わず2人の間に腕を無理やり入れ引き離すと2人の拳が重なり合っていたところ──ちょうど彼らの間に、両手の手のひらの人差し指と親指を合わし
すると突如、女神ネイスが手のひらを重ねた地面の暗闇に眩い白光が現れ、
突として繰り広げられた
これが魔法か──はたまた神通力というものなのか──未だ20年しか生きてきていない青年2人に判断がつくはずもなく──円から吹いてくる不思議な強風に負けじと身体を強張らせるとネイスに"準備OK"の
ネイスはそんな2人の合図と表情を見ると"にかり"と一つ笑うと「そんじゃまぁぶっ飛ばしますかぁ!」と気合を入れると再び判別不明な呪文を唱えると──数段と強くなった風と
「おい
「は!? オマエこんな時になんでそんな大事そうな事言う──」と強まる風と光に動揺する亜蓮の言を遮り女神ネイスは続ける。
「いいかぁ! よぉ〜く耳をかっぽじって聞けよ! 魂を入れ替える時は2人の声を揃えてこう言うんだぞ──
────「「
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