【FGA:9】レオン王子
「えっ……"聖杯トーナメント"への出場資格ですか?」
異世界へ飛ばされて
彼女を"聖杯トーナメント"の出場資格の説明役に適している──そう言った綺麗な紅髪の青年は紅茶のお代わりを頼んだのか──再びひたひたに注がれた黄金色の良い香りがする液体を美味しそうに啜ると「彼らに説明してもらえるかな?」と笑顔を見せテレサに訴えかけた。
さしもの素早い逃げ足を誇る
「せ、説明と言っても……そもそも"聖杯トーナメント"に
「うむ! それで
──なるほど。
雷人は話を聞きながら軽い相槌を打つ。どうやら──この世界のバスケットボールのルールは"NBA"を基準として成り立っているらしい。
そもそも。
"
普段テレビなどでなんとなく見ている代表同士の闘いであるが──よくよく注意深く見てみるとNBAと細かいところでルールが違うことが分かると思う。詳しい差異については後々説明を挟むと思うが今ここでは
まず
NBAの
対して"
「つまり! まず君たちは"国の一員"にならなければならないのだ! ──まぁこの世界では国を構成する要素はもっぱら"種族"に依るから君たちは"人間の国"つまり
"びしり"と雷人を指さし青年は何故か見事なドヤ顔を見せる。
指された
青年は紅い髪をまた"ふわり"と翻らせると「それはそこの少女がよく知ってるのではないか?」と微笑する。
頭上に「?」を浮かべながら亜蓮はその少女に目線を移すとテレサは「あはは」と頬に汗を浮かべながら苦笑いすると「それは私のおとうさ──
「皆の衆‼︎ よくよくよぉ〜〜く、耳を傾けて僕の話を聞けぇ‼︎ 今からレオリオラ王国に純然たる忠誠を誓い、そして……‼︎ 我々レオリオラ家と共に目の前に立ちはだかる強敵たちと熾烈な闘いを繰り広げ──最後に
突如、店の外から若い少年の声と──いつの間にか人が集まったのか、大勢の老若男女の声が店内へと"どっ"と響いてくる。
亜蓮と雷人は「なんだなんだ」とその騒ぎの正体を見極めようとカフェの
先ほど通りを歩いていた人のほとんどが集まっていているのか──およそ2、300人の人だかりの中心にやたらと目立つ綺麗な赤と淡い青を基調とした豪華絢爛なドレスを見に纏った幼い少女と若い少女が2人、そしてその間に
どうやら騒ぎの原因もとい元凶はその目立つ少年という事を認知した亜蓮は「なんだあいつ」と純粋な疑問を持つと同じく突上戸から身を乗り出し、様子を伺っていたテレサが「またやってる」と"ぼそり"と呟くのを見逃さず、すかさず彼女にその少年が何者か──と身元を訊ねた。
「あ、い、いや全然変な人たちじゃないですよ! 変な人たちどころか……彼が──
テレサはそれだけ言うと「わ、私、
そんな彼女を訝しげな眼差しで見送っていると──代わりに今度は4人組の客のうちの茶髪の少女が、その麗しい綺麗な髪を無造作に振りながら突上戸から顔だけ出し下を見遣ると「お〜〜、まーた
遅れて
「──ったく! なんなんだよアイツら……勝手にオレら担いだかと思ったらさっさと傍観側にマワりやがって──それにしても」
亜蓮はぐるりと辺りを見回すと「貴公らが我らレオリオラに手を貸す英雄か?」と"にやり"と笑う王子に一瞥をくれると雷人の方へ向き直った。
「さっきの
「うん。どうやら周りのお店に閑古鳥が鳴いているのも──この国が滅亡するからって
「だったら」と亜蓮は含みある間を置くと改めてレオン王子の方へ身体を向けると"びしり"と一指し──まるで地平線まで届きそうな大きな声でこう、宣言した。
「だったらオレらが代表選手になってやるぜ‼︎」
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