兄side

第28話 るみたんからDM:兄

 俺は正月を超えて、絶賛社畜中だ。今は職場の屋上のテラスで、ひとり休憩をしている。これからまた午後の仕事に戻らねばならない。しかし、社畜だろうが何だろうが俺の毎日はとんでもなく幸せなのである。


 何故か、そりゃぁ……。


 愛する、るみたん、いや、妹が、アイドルトップガールの配信者ランキングで昨年一位になり、これから表彰されることになったからだ。


「いやぁ、幸せだなぁ」


 正直、年末の、るみたん最後の配信で、あんなどんでん返しがあるなんて思ってもいなかった。あの、最後の大きな投げ銭は一体誰だろう。


「大物社長とかが、実は配信を聞いていてポイって一千万投げた……とか……?」


 あの出来事を思い出すと、正直悔しい気持ちになった。


「俺の愛の投げ銭で、一位にしたかったな」


 でも、とにかくるみたんが、トップガールになれたことは嬉しい。それは変わらない。悔しいけれど、あの投げ銭が無ければ、妹はトップには、なれなかったのだから。



――――ブブブ



「ん?なんだ。ダイレクトメッセージ……る、るみたんからだ!」



 突然、スマートホンが振動し、メッセージが届いたよと俺に教えてくれたので、画面を開くと、ツリッツァーのダイレクトメッセージの受信箱にるみたんからの、こんなメッセージが届いていた。









〝あなたのおかげでトップになることが出来ました。今度の、授賞式では、会場の出入り口でお待ちください。あなたにお礼がしたいです〟

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