妹side
第21話 愛のメッセージ:妹
私はねねちゃんに、勢いで打ち込んだ文字を送ってしまってから、寝られない状態でいた。
「はぁ、ケンさん。きっと、私の顔見て嫌いになってねねちゃんのところに……やっぱり人気者には勝てないのか……ううぅ」
ついには悪いことまで考えてしまい、目には涙が溜まってきてしまった。視界が潤み、私はティッシュでこの悲しい気持ちを拭きとっていると、ねねちゃんからの返信が来ていた。
「え、返信来た……どうしよう。開けるのが怖い……返信本当に来た……」
私は怖がっても仕方ないと、エイッと画面を押して、受信ボックスを開ける。すると、ねねちゃんらしい、勢いのある言葉がワッと並んでいた。
〝ケンさんは、あなたの事を愛していると、このトップのあたしに叫びに来たのよ!〟
〝あなたはケンさんに、世界一愛されているんだから!〟
「え、ちょっと、なにこれ!」
「愛して……!?へっ!?」
今、私の顔は真っ赤になり沸騰している。ねねちゃんの返信を開ける前の、不安なんかどっかにいき、私は恥ずかしすぎて、画面を閉じ、スマートホンを胸に抱えたまま、ベッドの上でバタバタと暴れた。
「ばばばばばばば、ケンさん、馬鹿じゃないの?え?世界一愛……」
頭の中を、愛してる、という言葉が、好き放題に駆け回っていて、捕まえられない。この胸の、ときめきはどこへやったらいいのだろうか。
私は混乱していると、ある人物からも、ダイレクトメッセージが突然来た。
「け、ケンさん!?」
スマートホンの画面には、ケンさんからのダイレクトメッセージが届いていますと、通知が来ている。さっき閉じてしまった画面をもう一度開けて、私はゴクリと唾をのみ、メッセージのある、受信ボックスを押す。
すると……。
「なに、なによ、これ……こんなの……」
「愛の告白ってやつじゃない……愛の……うわああああああああああ」
私はゆでだこになり、壁に頭を打ち付ける。胸がドキドキしてしまい、どうにもできない。スマートホンの画面には、ケンさんのメッセージを表示したまま、ベッドの布団の上に勢いよく投げ込んでしまった。
そして、投げたスマートホンの画面には、こんなメッセージが表示されていた。
〝最近コメントできていなくてごめん、るみへの愛が溢れすぎて、できなくなっちまった〟
〝俺はな、るみを世界一愛している!必ずトップのアイガール、トップガールにしてみせる!俺は、世界一、るみを愛しているぞおおおおおおお〟
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