第17話 私のケンさん:妹

 配信休止期間は終わり、月曜日になった。私は今日も楽しく配信ライフを送っている。久々の配信だったが、盛り上がることが出来た。楽しかったと配信を終えて、私はベッドで横になる。


 しかし……。


「ケンさん……なんでコメントしないの……」


 まだ、ケンさんからのコメントは届いていない。


「バグか!?長いバグなのか!?コメントが届かないというバグなのか!?」


 配信休止期間を終えて、月曜日になったというのに。もう、一週間以上コメントが無い。


 私は何でだろうと頭を抱えながら、ツリッツァーでフォローしている別のアイガールのアカウントを覗いていた。配信を始めてからは、交流や情報収集も含めて、様々なアイガールをフォローしているのだ。

 

「ん?ねね……ちゃん!?」


「え!?」


 ちらりと気になって覗いたねねちゃんのアカウントを見ると、そこには信じられない、文字のみの投稿があった。私は思わず二度見、いや、数えきれないくらい見返した。


「〝今日、熱狂的るみファンのケンさんが、ねねの家に殴り込みに来たんだから!しょがないから、話を聞いてあげたわよ!〟って、え?なにこれ!?」


 私は、想像もできない、とんでもない投稿を見つけて、手を震わせて部屋で叫ぶ。


「ど、どどどどどどういうこと!?」

「それ、私のファンだからあああ取らないでよ、てか家に殴りこむって何!?話って何!?」


 るみファンのケンさんなんて一人しかいない。そうだ、あのケンさんしかいない。証拠写真はないが、もしこれが本当ならどういうことだろうか。最近、コメントが無いことには、何か原因がその投稿の向こうにあるのだろうか。混乱を大きくさせながら、衝撃のあまり、私はねねちゃんに勢いよく文字を打ち、DMを送った。


〝ケンさんが家に来たって、どういうことですか?あの、それ、私のファンですけど!取らないでよ!てか、教えてください!〟

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