111話目

 頬杖をついて車窓を流れる景色を見ていた。果てしない夕暮れと、阿弥陀籤の様な畦道。線路沿いを歩く学生達が眩しく映える。比べて僕は浮かない顔で、陽炎が昇る様に揺れていく。「サヨナラは初めましての合図」なんて唄う綺麗事自分の声が鬱陶しく耳に残った。イヤホンの向こうで眠りこける、君との旅立ちだ。

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