106話目

 青白い光に包まれた満天の星空の下の丘の上で、僕らは寄り添いあっていた。

 ここで出逢い、ここで告白した。

 あの彼女の顔は今でも鮮明に思い出せる。

 見れたのは一瞬だったけど。

 胸ポケットから買った指輪を取り出して言った。


「結婚してください」と。


 震えた声に顔を上げると、光が空を駆け抜けていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る