61話目

「私は私が嫌い」


君はそう呟いた


「そっか。でも僕は君が好きだよ」


君は首を傾げただろう


「目が見えなくたって分かる。顔、仕草、性格。君は何を見たって凄く綺麗だ」


君は黙り込んでしまった

僕は視力の無い目で君を見つめる

見えなくても、視える

君は笑っていて欲しいな


「ありがと」


掠れた声で君は笑った

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