付き合ってる、んだよな?

小夏と俺は、高校で一緒になった。

小夏は、名前のとおり、夏の太陽みたいに明るくキラキラした笑顔がチャーミングな、可愛い奴だ。

一目惚れ、ではなかったけど。

班を作って班ごとに課題を提出する授業で同じ班になった時。

面倒なことも笑顔で一生懸命こなす彼女に、ジワジワとやられてしまったのだ。

課題の提出とともに班は解散となったが、その後俺はすぐに小夏に告白し、小夏も告白を受け入れてくれて、俺たちは付き合うことになった。


(付き合ってる、んだよな?小夏と俺。)

少し不安になって、ベッドに寝転びながら、小夏からのメッセージを読み返してみる。


【大好きだよ、爽太くん。明日のデート、楽しみにしてる!おやすみ~💕】


普通に考えて、これは、彼女から彼氏へのメッセージ、だよな?

普通に、考えて。

・・・・小夏と俺の『普通』は、違うのだろうか?

俺の『普通』が、おかしいのか?

『付き合う』って、なんだ?

『彼女』って?

『彼氏』・・・・って?

あーっ、わっかんねーっ!


こんな、ガキでもわかる簡単なことで頭が混乱し始めた時。

ピコン、と、メッセージ受信音が鳴った。


【明日は爽太くんのことだけを考えるから、安心してね💕】


小夏からだった。


うん。

これで、はっきりした。

『は』じゃ、俺は嫌だ。

『も』であるべきじゃないか?!


少なくとも俺は、今日も昨日もその前も、小夏以外の女のことは考えていない。

・・・・いや、たまには、な?

考えることも、無きにしもあらず、だが。

そりゃ、あんなことやこんなことや、その他モロモロ・・・・なぁ?

年頃の、オトコノコだもの。

でもっ!

それとこれとは、ベツモノであって。

少なくとも俺は、小夏以外の女とデートはしないし、イチャついたりもしない。

それは、断言できる。

(よし。明日ビシッと言ってやらないとな。)

決意も新たに、俺はベッドサイドの電気を消して、眠りについた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る