狐の話が読みたいなと思った時に見つけた作品。期待を裏切らない、まさにきつねのお話。最後は少し寂しいけど、結末がしっかりしていて、読みごごちの良い作品でした。
良い意味で裏切られました。短いながらもしっかりと読者を魅了してくれる結末が待っています。本当の善悪とは何か? 深く考えさせられる作品です(>_<)
幼い寅坊(『虎の子』すなわち『大切な子供』というネーミングでしょうか)を死に追いやったのは誰なのか。本当に怖いのは妖怪でも幽霊でもなく生きた人間であるというのが良く分かるお話です。説話の好きな人におすすめです。
大正のさる旧家。その没落の背後には、妖狐の呪いが存在していたという。女中に化けていたその狐は、幼き当主の息子に憑いて殺し、ついには術師に討たれたという。これでめでたしめでたし、で表向きの歴史は終わる。だが、実際のところは……?表と裏、人と妖、それぞれの視点から綴られる、虚実入り混じる構成力が見事。オチの付け方も秀逸な良短編です。